研究概要 |
本研究において、13年度には以下のa)〜c)の手法の有効性を明らかにし、14年度にはd)を実施した。 a)発電施設の景観評価のためのフィールド調査方法及び現況環境の記述 b)3次元地形モデルを用いた景観影響領域の抽出手法 c)景観予測・評価のための風力発電設備のコンピュータグラフィックの作成手法 d)風力発電の景観計画情報をインターネット上で共有するための景観影響評価データベースを構築した。具体的には、a)〜c)の手法により作成された景観評価に関する情報を、業務プロセスにしたがって整理・序列化したシート群に記述し、そのシート間を意味上の連携によってハイパーリンクするシート形式のデータベースを開発した。このシート形式は、データを記録・保存すると同時に、出力するとそのまま報告書として利用可能なフォーマットで構成されている。 14年度には、ケーススタディーとして、実際に山間部に建設される風力発電計画の評価において、開発したデータベースを利用した。現地調査と各種地図資料をもとに、周辺地区の地理特性を把握し、可視領域分析により景観影響領域図を作成し、景観評価のための視点を選定し、評価対象設備の3次元モデル作成、実背景との合成CG及びCGアニメーションの作成といった一連の景観評価プロセスにしたがって影響評価データを作成し、データベースに統合整理した。このデータベースにより情報が共有され、景観評価における作業の手戻り、関係者間の課題に対する認識の違いなどの問題が解決され、業務が効率化された。今後の課題として、データベースの管理・運用方法、データの更新技術などがあげられる。 なお,本研究の成果の一部は、既に日本建築学会等で発表している。
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