研究課題/領域番号 |
13750607
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
村上 恭和 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (30281992)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 磁性体 / 電子顕微鏡 / マルテンサイト変態 / 相変態 / 磁区構造 / 形状記憶合金 / 磁壁 / 折出物 / 電子線ホログラフィー / 磁化分布 / 画像解析 |
研究概要 |
Ni-Mn-Ga合金に関して以下の研究を行い、成果をおさめている。 1.Ni_<53.6>Mn_<23.4>Ga_<23.0>合金スパッタ膜の組織と結晶構造 磁場制御の形状記憶合金としの実用性に優れた上記組成の合金を重点的に研究した。通常、Ni-Mn-Ga合金をスパッタ法で作製すると非磁性のMnO析出物が生じる。本研究では、MnO析出物のサイズや個数(密度)が異なる複数の試料を作製し、組織と構造をTEMにより詳しく調べた。その結果、マルテンサイトの結晶構造はいずれも14M型で、組織に関しても析出物の存在形態に係わらず、第一種双晶、および第二種双晶からなる典型的な自己調整組織を示すことが明らかとなった。 2.MnO析出物と磁区構造、形状記憶特性の関係 電子線ホログラフィーを利用して、MnO析出物が存在する場合の磁区構造を詳細に評価した。その結果、磁束線は非磁性のMnOを周り込むように存在する様子が明らかとなった。このような磁束の状態は磁区の内部よりも、磁壁上で実現された方が安定であり、実際にMnO析出物のサイズが大きくなるほどその傾向は強く現れた。一方、高温で生じる析出物は母相との整合性を良くするような特定の形態を示すが、マルテンサイトに対しては界面に大きな歪が集中する。これらの点から、MnO析出物は双晶界面の移動を妨げるということを指摘した。 3.マルテンサイト変態に先立つ構造揺らぎと磁区構造の関係 Ni-Mn-Ga合金では、マルテンサイト変態に先立って母相の構造揺らぎや中間相の生成など複雑な現象が観察される。これら構造上の変化が磁区構造に及ぼす影響をホログラフィーとローレンツ顕微鏡法で検証し、弾性定数の変化や母相の対称性の崩れを基に磁区構造の状態を理解することができた。
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