研究課題/領域番号 |
13750700
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学工学一般
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
後藤 健彦 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10274127)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | N-イソプロピルアクリルアミド / NN'-メチレンビスアクリルアミド / 感温性ゲル / 多孔質構造 / 膨潤・収縮速度 / 非等方的膨潤 / 剪断応力 / 変形 / 感熱性ゲル / 伝熱速度 / NN'-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド / 共重合 |
研究概要 |
主モノマーのN-イソプロピルアクリルアミド濃度を2000mol/m^3、架橋剤のNN'-メチレンビスアクルスアミド濃度を20〜120mol/m^3で、ステンレスの金網を挟み込んで膨潤方向を厚さ方向のみに制限した平板状の多孔質感温性ゲルを合成し、非等方的な膨潤特性を検討した。また、空気中に静置して周囲に膨潤するための水が充分にない場合の多孔質ゲルの膨潤特性を検討した。また、両親媒性溶媒の添加によりNIAPMモノマーの溶解度を高めて、ポリマー濃度の高いゲルを合成しポリマー濃度が傍受特性に与える影響を検討した。 1.多孔質ゲルの非等方的な膨潤 多孔質ゲルは、均質なゲルと比較して、剪断応力が非常に小さいために、膨潤方向を制限しても、破壊せずに大きく変型しながら、制限を受けない方向に膨潤することが可能であることが明らかになった。また制限を受けない方向への膨潤度は、等方的な膨潤をしたゲルと比較して大きくなることがわかった。また、架橋剤濃度が高いゲル程、膨潤度変化は大きく、これは、平板状ゲルの場合膨潤度の低いゲル程、ゲル中心部にある支持体が、膨潤におよぼす制限の影響が大きくなるからであると考えられる。 2.多孔質ゲルの空気中での膨潤 転移温度以上の温水中で収縮した多孔質ゲルの表面の水分を除いて、室温に静置すると、架橋剤浸度の低いゲル程透明で、均質なゲルに近い状態を示すことが明らかになった。走査型電子顕微鏡を用いてゲルの内部構造を調べると、多孔質ゲルは、転移温度以上では数μmの微粒子の集合体と空隙から成る構造をしているが、周囲からの充分な水の供給が無い状態で、転移温度以下になって膨潤が可能になると、ゲルの空隙の水を吸収して膨潤し、空隙が消失することが分かった。この特異的な膨潤挙動は架橋剤濃度の低いゲル程顕著であった。これは、架橋剤濃度が低いゲルは空隙率が低くかつ変形が容易なためであると考えられる。 3モノマー濃度が、膨潤特性に与える影響 NIPAMモノマーの溶解度を高めるために、合成時に両親媒性の溶媒であるDMFをポリマーが感温性を失わない程度の濃度で添加し、NIPAMモノマーの溶解度を1350〜2500mol/m^3での範囲で変化させると、モノマー濃度の高いゲル程、膨潤度が高く、また膨潤速度が速くなることが分かった。
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