研究課題/領域番号 |
13750711
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
反応・分離工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
杉山 正和 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (90323534)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 金 / ナノ粒子 / レーザー / 光還元 / その場観察 / 核発生 / 粒径制御 / 粒子微細化 / 金ナノ粒子 / HAuCl_4 / 紫外・可視吸収スペクトル |
研究概要 |
咋年度作成した装置を用い、Au^<3+>イオンの308nmパルスレーザー光照射による還元過程を紫外可視光吸収スペクトルの変化としてその場観察した。光還元の過程を、(1)240および300nm付近に現れるAu^<3+>イオンに由来する吸収ピークの減少、(2)400〜900nmに幅広く現れる粒径数nmの微細な粒子による光散乱、(3)520〜600付近に現れる粒径約5nm以上の粒子による表面プラズモン吸収の増加、および(4)粒径の変化による表面プラズモン吸収ピーク波長の変化、として観察した。 原料濃度の指標として240nmの吸収を、生成した金微粒子濃度の指標として450nmの吸収を用い、それぞれの時間変化を追跡した。原料濃度の減少速度は、還元初期では原料濃度に関する1次の過程で説明できた。また、レーザー強度、パルス周波数に関しても1次であると結論できた。しかし、還元が進むにつれて、中間生成物(1)(Au^+イオンであると推測される)からの逆反応が無視できなくなった。逆反応については、レーザー照射を止めた後のAu^<3+>濃度の再上昇過程を解析した結果、中間生成物(1)濃度に対して2次の過程であると結論された。また、この過程にはレーザー光は関与していないと考えられる。微粒子は、中間生成物(1)から生じた中間生成物(2)(原子状の金ではないかと推測している)が核発生して生じると考えられる。金微粒子濃度の増加する初期過程は、原料濃度に対して0次であった。すなわち、原料濃度が低いほど微粒子への転化は迅速になった。 レーザー光還元によって生じた粒子は熱還元によって生じた粒子よりも小さい平均粒径(8nm程度)を持つことがわかった。また、レーザー強度が強いほど平均粒径は小さく、分布も狭くなった。これは、粒子の成長と同時に、レーザー光による粒子の微細化が起こっているためであると考えられる。
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