研究概要 |
肝小葉を模したモジュール形状を多孔質体で作成する方法を検討するために、粒径250〜500μmのNaClにクロロホルムを溶解させたPGLAを流し込み、クロロホルムを除去後、水中でNaClを溶解させ孔径250〜500μmをもつ多孔質PGLAフィルムを作製した。分散させたNaCl粒子サイズの多孔質体が作成できることが分かったが、高密度にNaCl粒子を分散させることは難しく、また、多孔質体に細胞を高密度で固定化できなかった。市販のポリウレンタンフォームの場合に比べて肝細胞の固定化率が約半分と低く,今後は多孔質PGLAの空隙率をあげ、連通孔の確保により細胞の分散と固定化率向上が必要である。それに伴い強度の確保も必要となる。 多孔質PGLAの肝小葉を模したモジュール形状の試作は、本年度において実施出来ていないが、細胞固定化方法や血管類似構造をもたせ酸素、栄養供給部の確保を具体的に組み込んだプロトタイプのモジュールを作成する。その際、凹凸をつけた金属盤にもNaClなどをできるだけ一様に分布させてからプレスしながら多孔質体を作り、中空糸を使用して血管類似構造を配置する。その後、CADによる詳細設計とCAEによる物質移動状態を予測し、形状の最適化を検討していく。
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