研究課題/領域番号 |
13750766
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
上田 岳彦 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (80293893)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 酸素電極 / 逆ラプラス変換 / イメージング / ill-posed problem / 酸素消費 / 呼吸活性 / 抗がん剤感受性 / アドリアマイシン / colon26 |
研究概要 |
「呼吸活性の空間分布の解析-腫瘍組織の部分壊死を検出してイメージ化する酸素電極装置の開発」 腫瘍組織は部分的に細胞が壊死を起こしており、表面の酸素消費活性が一様でなく、イメージング実験の対象として適している。本研究では2つの酸素電極装置を並列に用い、それぞれの電流応答の差から呼吸の活発な腫瘍組織までの距離を決定するアルゴリズムを開発した。RPMI培地中で1組の電極を平行に設置して、その間に位置したマウス腫瘍組織までの距離を決定する実験系の場合、マウス腫瘍の呼吸活性を高く保ち続けることに困難があることがわかった、この難点を克服するため、水溶性高分子に内包した微生物群に対して同様の実験を行い、有意な差が得られる条件を探索した。基本解は平行電極板の間に仮想的な複数の電極が平行かつ等間隔に並べられたものと数学的に同等と見なすことができ、離散的ながら十分な近似となるモデル系を表現することができた。1組の電極間にどのような呼吸活性の分布があるかは、このモデルをラプラス変換した場合に実および仮想電極の数に対応した次元の線型方程式を構成することを見出し、これを逆算して解のラプラス変換表現を得た。さらに実解を得るため、先に得られた数値解の逆ラプラス変換を試みたが、1)ノイズが拡大して実解を著しく歪めてしまうこと、2)逆ラプラス変換アルゴリズムが酸素呼吸活性の空間分布を再現する精度に問題があること、すなわち空間の対数に対して一様に逆変換解が得られるのみで、細部を再現するには対象と電極の距離を対数スケールで効果がある程度に十分近づけなければならないこと、などから未だに鮮明な逆変換像は得られていない。しかし、実際の実験系を使うことによりイメージングに関する問題を解決する上記のような重要な指針が得られ、これらの点を改善することにより当初の目的を達成できる展望が開いたといえる。
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