研究概要 |
1.ルイス酸を用いたニトリルオキシド付加環化のレギオ・ジアステレオ制御 光学活性な多置換イソオキサゾリン化合物の合成法開発のため,キラルなβ-置換α,β-不飽和アミドとニトリルオキシドとの付加環化のレギオ・ジアステレオ制御を検討した。(S)-4-ベンジル-3-クロトノイル-5,5-ジメチル-1,3-オキサゾリジン-2-オンとベンゾニトリルオキシドとの反応を行うと,付加環化体が5-アシル体と4-アシル体のレギオ異性体混合物(5-アシル体:4-アシル体=66:34)として得られる。さらに,それぞれのレギオ異性体はジアステレオマーの混合物となる。この反応をアセトニトリル中,1当量の過塩素酸マグネシウム共存下で行うことにより,ほぼ単一の立体異性体として対応するイソオキサゾリン誘導体(5-アシル体:4-アシル体=98:2,5-アシル体のジアステレオ選択性95:5)を得ることに成功した(2002年日本化学会西日本大会1C07)。 2.ルイス酸を用いた官能化ニトリルオキシドのジアステレオ選択的付加環化の開発 光学活性イソオキサゾリン化合物の合成的有用性を鑑み,官能基変換の容易なニトリルオキシドを用いた付加環化の検討を行った。シンナモニトリルオキシド,メトキシカルボニルモルホニトリルオキシドと3-アクリロイル-4-ベンジル-5,5-ジメチル-1,3-オキサゾリジン-2-オンとの反応に過塩素酸マグネシウムを添加することによって,立体選択的に付加環化が進行して,対応する光学活性イソオキサゾリン誘導体を得た(第39回化学関連支部合同九州大会1_5.27;日本化学会第83春季年会3H7-47)。
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