研究課題/領域番号 |
13750805
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長澤 和夫 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (10247223)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | グアニジン / 相関移動触媒 / 不斉反応 / crambescidin 359 / アルキル化反応 / エポキシ化反応 / 有機分子触媒 / 全合成 / 環状グアニジン / 不斉合成 / Ptilomycalin A / 海洋産天然物 |
研究概要 |
不斉反応試薬の開発は、これまで主に遷移金属を中心に研究が行われ、還元反応をはじめ炭素-炭素結合反応においても、高い選択性を示す実用的な反応が見いだされている。一方21世紀に入り、有機合成化学の分野においても、地球規模で広がる環境汚染に対する取り組みの一つとして、環境への負荷の少ない新しい試薬の開発が求められてきている。このような状況下、環境にやさしい試薬として、化学的に安定で再利用可能なグアニジン化合物に着目し、グアニジン構造を含む、新しい実用的な有機分子型不斉触媒(有機分子試薬)の開発を目的とし、研究を行った。 海洋産天然物crambescidine 359およびbatzelladine Dの全合成研究の成功をもとに、その特徴的な骨格である環状グアニジン構造を有する、C2対称な5環性グアニジン化合物を独自に設計した。連続型1,3-双極子環化反応を鍵反応として、光学活性な5環性グアニジン化合物を立体選択的に合成することができた。合成した化合物は、不飽和ラクトンとピロリジンとのヘテロマイケル反応を、顕著に加速する触媒であることが明らかとなった。さらに本グアニジン触媒は、グリシンイミン誘導体に対するアルキル化反応において、相関移動触媒として用いた場合に、非常に高い不斉収率を誘起する触媒であることが明らかとなった。これはグアニジン触媒による不斉アルキル化反応の初めての例である。開発した触媒は、反応終了後容易に回収可能であり、種々の反応に再度用いることが可能であった。
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