研究課題/領域番号 |
13750836
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子構造物性(含繊維)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田中 敬二 九州大学, 工学研究院, 助手 (20325509)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 高分子 / 薄膜・表面・界面 / 拡散 / フォトブリーチング法 / 表面分子運動特性 / 光漂白蛍光回復測定装置 / 表面並進拡散 / ポリスチレン |
研究概要 |
高分子固体表面におけるセグメントスケールの分子運動性に関しては系統的に検討されているが、分子鎖スケールでの運動性に関しては全く検討されていない。本研究では、高分子薄膜および高分子表面における分子鎖の並進拡散係数を評価することを目的とする。 拡散係数を評価する装置としてFluorescence Recovery after Photobleaching (FRAP)装置を作製した。ここでFRAPとは、高強度のレーザー光を用いて試料の一部をフォトブリーチ(退色化)し、フォトブリーチした領域と領域外の蛍光強度差の時問変化を検出することで、拡散係数を導出する方法である。試料として6-(N-(7-nitrobenz-2-oxa-1,3-diazol-4-yl)amino)hexanoic acid(NBD)を用いて蛍光ラベルした単分散ポリスチレン(PS、Mn=53.4k、Mw/Mn=1.03)[PS-NBD]を用いた。スピンコーティング法により調製した試料を用いることで薄膜における分子鎖の拡散挙動を評価した。またLangumuir-Blodgett法を用いてPS-NBD単分子粒子膜をPS薄膜上に積層することにより表面層のみを蛍光ラベルした試料を調製した。表面層のみを蛍光ラベルすることで高分子固体表面における分子鎖の拡散挙動を評価することができる。 作製したFRAPには三つの光路が存在し、一つ目はフォトブリーチを行うために用いるbleaching lineである。またフォトプリーチした領域と領域外の蛍光強度を別々に測定するために二つのreading lineを作製した。FRAP装置を用いて37wt%THF溶液中におけるPS-NBDの拡散挙動を評価した。ブリーチ時間は3.0sで行った。蛍光強度プロファイルから求められる拡散係数はD=0.24±0.04mm2/sであった。この値は同濃度であるPS(Mw=46k)/THF溶液の拡散係数、D、の文献値1.4mm2/sとよく対応していた。現在は、FRAPを用いて高分子薄膜および表面における拡散挙動について詳細な検討を行っている。
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