研究課題/領域番号 |
13750842
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
航空宇宙工学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
横田 久美子 神戸大学, 工学部, 教務職員(教育職) (20252794)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 原子状酸素 / 紫外線 / 複合照射効果 / ポリイミド / 低地球軌道 / 宇宙環境 / シナジー |
研究概要 |
本研究は、独自に開発したCO_2レーザーによるレーザーデトネーション型原子状酸素発生装置に紫外線光源を取り付け、高度300〜500kmの低地球軌道環境(10w Earth orbit : LEO)を模擬し、原子状酸素と紫外線の同時照射効果を詳細に解明することを目的としたものである。試料としてはMLIのモデル表面としてポリイミドフィルムを選び、5eVの運動エネルギーを有する原子状酸素と172nmの紫外線を照射した前後で表面状態の変化をX線光電子分光法により大気曝露なしの状態で検証した。また、原子状酸素と紫外線の相対強度を連続的に変化させ、原子状酸素と紫外線の複合照射効果(シナジー)におよぼす原子状酸素/紫外線の強度比の影響を明らかにした。平成14年度には、原子状酸素および紫外線を照射したときの反応のメカニズムを解明するために、質量分析管を使用して反応生成物の同定を行った。その結果、原子状酸素照射後の試料に紫外線を照射すると反応生成物としてCOが検出された。また、X線光電子分光法により原子状酸素照射後にはO量が増加し、同じ試料に対して紫外線を照射後には原子状酸素未照射に近い状態に戻ることが確認された。このことから、原子状酸素照射によって吸着されたO原子が紫外線によってCOとなり脱離したと考えられる。また、原子状酸素/紫外線の相対強度比の影響については平成13年度の結果を基に、紫外線の相対強度比を1桁増加させて実験を行った。その結果、紫外線の相対強度が高い場合にはポリイミドのエロージョンレートは原子状酸素のみを照射した場合に比べて約3〜4倍に増大することが確認された。本研究により、宇宙実験では制御が困難な原子状酸素と紫外線の相対強度比の影響を地上模擬実験により明確化することができた。
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