研究概要 |
本研究では造船所の船殻加工・組立工場において工作時に溶接・切断により発生したヒュームの拡散状態を把握して,高効率の換気システムの設計に応用するために,2相流問題に関するCFD(数値流体力学)方法を開発してきた。本年度は本研究の最終年度で以下のような研究成果が得られた。 (1)前年度に完成した2流体モデルに基づく三次元乱流熱流体に関する数値計算プログラムについて改良を行った。そして改良したプログラムを使ってある内業工場において実状況に対応する数値シミュレーションを行い,現場計測した数点の温度・ヒューム濃度と比べて,プログラムのチューニングを行い,本数値計算法を将来に実際の内業工場換気設計に応用する計算を行うための検証を行った。 (2)実際の内業工場に対する三次元CFDシミュレーションを行う際,計算機の能力の制限で計算格子の数が多く取れず,ヒューム移動の計算精度を上げるために対流計算に対して数値拡散の少ない高精度のスキームが望ましいことが分った。従って,本年度では高精度の対流計算スキームと知られるCIP法に対して多相流問題への応用についての研究を行い,このスキームの有効性を確認したと共に,本研究で開発したヒューム拡散の数値計算方法への応用も可能であることが分った。
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