研究課題/領域番号 |
13760030
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
園芸・造園学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
窪田 聡 日本大学, 生物資源科学部, 助手 (60328705)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ファレノプシス / 頂芽優勢 / オーキシン / ジベレリン / サイトカイニン / IAA / 葉腋芽 / 花成誘導 / 植物ホルモン |
研究概要 |
本研究はファレノプシスの低温による花成誘導メカニズムを生理・生化学的に解明するために、低温の役割を頂芽優勢が崩れることによる葉腋芽の発育開始と、葉腋芽の発育相を栄養生長相から生殖生長相に転換させる2つの役割があるという仮説に立ち、頂芽切除植物を用いることにより両者に関与する植物ホルモンを明らかにしてその機構を解明することを目的とした。1年目と2年目に異なる品種を用い、頂芽切除植物の葉腋芽の発育に及ぼす温度とオーキシン(NAA)ならびにジベレリン(GA)の影響について検討した。無施用区の葉腋芽の発育は、2品種ともに低温では無傷植物と変わらなかったが、高温では低温に比べて著しく遅延した。また、発育した葉腋芽は全て生殖芽となった。頂芽切除植物にNAAを連続施用すると、低温と高温ともに葉腋芽の発育は著しく抑制された。一方、GAを連続施用すると、葉腋芽の発育所要日数は低温では濃度間に大きな差はなかったが、高温では濃度の上昇に伴い短縮され、低温とほとんどかわらなくなった。発達した葉腋芽は低温ではいずれの濃度でも約8節の花茎節を形成したが、高温ではGA濃度の上昇に伴い花茎節数が増加し、小花の分化が遅延した。続いて、温度とサイトカイニン(BA)の影響について検討したところ、発育所要日数は高温では濃度間に差は無かったが、低温ではBA濃度の上昇に伴い短縮された。次に、無傷植物の頂芽を温度処理開始後に採取し内生IAAを定量したところ、IAA含量は高温では約400p mol/g f.w.で一定に推移したが、低温では処理開始10日後から減少し始め、25日後には高温の約半量にまで減少した。以上のことから、低温による葉腋芽の発育開始は、頂芽のIAA含量の低下に伴う頂芽優勢の解除が大きく関与していると考えられる。さらに、頂芽優勢が解除された葉腋芽は温度にかかわらず発育するが、低温はその発育を促進させ、その発育促進にはGAが深く関与していることが示唆された。一方、発達した葉腋芽はいずれの処理でもほとんど生殖芽になったことから、葉腋芽の発育相の決定は温度以外の要因によって制御されている可能性が示唆された。
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