研究課題/領域番号 |
13760082
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物生産化学・応用有機化学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
葛山 智久 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (30280952)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 非メバロン酸経路 / イソプレノイド / スクリーニング / 阻害剤 / 枯草菌 / 抗菌剤 / 抗マラリア剤 / 除草剤 / 生合成 / 形質転換株 / メバロン酸経路 |
研究概要 |
ヒトを含む動物はイソプレンユニットの生合成のためにメバロン酸経路を利用し、病原菌を含む多くの真正細菌、高等植物の色素体やマラリア原虫は、非メバロン酸経路を利用する。従って、非メバロン酸経路の特異的阻害剤は、副作用の無い理想的な抗菌剤、除草剤、抗マラリア剤のリード化合物になり得ると考えられる。本研究では、イソプレンユニットの新しい生合成経路である非メバロン酸経路をターゲットとした抗菌剤、除草剤および抗マラリア剤のリード化合物となりうる物質を、微生物の代謝産物を中心に広く天然有機化合物に求める。初年度には、放線菌からクローニングしたメバロン酸経路の遺伝子群を枯草菌に導入し、非メバロン酸経路の唯一の特異的阻害剤であるホスミドマイシン存在下でもメバロン酸を添加すれば生育することができる枯草菌の形質転換株を作成することに成功した。これを受けて、実際に、本形質転換株を使用した非メバロン酸経路特異的阻害剤のスクリーニング系を開発し、抗菌剤などのリード化合物となりうる物質のスクリーニングを開始した。放線菌培養物を中心に約1万株の培養物を本スクリーニング系で評価した結果、放線菌KU82株に非メバロン酸経路に特異的な阻害活性を見出した。その活性物質の単離には至っていないが、現在の状況を説明する。KU82株の菌体アセトン抽出物を濃縮後、HP-20カラムに吸着させ、30%メタノールで活性画分を溶出した。この活性画分を濃縮後、水相を酢酸エチルで抽出し濃縮乾固物を50%メタノールに溶解し、50%メタノールで置換したオープンのODSカラムに添着した。次に、活性画分を60%メタノールで溶出し、現在、高速液体クロマトグラフィーで精製中である。精製途中の活性画分を集め、in vitroで非メバロン酸経路のどの段階を阻害しているから検討した結果、1-デオキシキシルロースリン酸レダクトイソメラーゼを阻害していることが判明した。
|