研究課題/領域番号 |
13760090
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
食品科学・製品科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
石塚 敏 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (00271627)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 腸上皮間リンパ球 / CD8 / CD4 / NKR-P1A / 腸上皮内リンパ球 / bromodeoxyuridine / 食物繊維 |
研究概要 |
昨年度の実験において、難消化性糖類の摂取によりCD8^+大腸上皮間リンパ球(IEL)の大腸粘膜への集積が生理的な範囲で起こることを明らかにした。今年度はそれ以外にCD4^+ IELとNKR-P1A^+大腸上皮間ナチュラルキラー細胞(IENK)の局在を免疫組織化学的に検討した。NKR-P1A^+ IENKは、近年になってラットのIEL画分よりその存在が明らかになった細胞集団で、NK活性を持ち、IFN-gammaとIL-4を分泌する特殊な細胞集団であることが報告されている。興味深いことに、CD8^+ IELは大腸陰窩中において既に分化した上皮細胞間に存在するのに対し、NKR-P1A^+ IENKは逆に増殖上皮細胞の近傍、すなわち陰窩底部に存在することが陰窩内セルポジションごとの解析により明らかになった。また、NKR-P1A^+ IENKの局在はCD8^+ IEL同様に盲腸に多く、以降遠位に向かって減少することも明らかになった。さらに陰窩内におけるNKR-P1A^+ IELの数はそのCD8^+ IELの数と強い正の相関を示した。これらの局在はこれまでの栄養学的な観点からの標準飼料の摂取では見られず、発酵性の難消化性糖類を添加することにより初めて顕在化されることが盲腸内容物のHPLC分析から示唆された。しかし、その集積は病理的なものではないことは組織化学的解析から明らかである。一方、CD4^+ IELの集積は大腸全体を通して殆ど観察されず、発酵性難消化性糖類の摂取によっても変化は見られなかった。以上のことから、CD8^+ IELとNKR-P1A^+ IENKはともに発酵性難消化性糖類の摂取により大腸上皮間に集積するが、その局在はことなる、つまりCD8^+ IELとNKR-P1A^+ IENKの棲み分けが起こっていることを初めて明らかにした。
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