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年輪構造指標を用いた気候復元に関する年輪気候学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 13760128
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 林産学
研究機関信州大学

研究代表者

安江 恒  信州大学, 農学部, 助手 (00324236)

研究期間 (年度) 2001 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
キーワード年輪気候学 / 年輪構造 / 広葉樹 / 年輪年代学 / 気候復元 / ダケカンバ / ヤチダモ / ブナ
研究概要

広葉樹の年輪構造指標を用いることにより日本における過去の気候変動の復元の高精度化を目的として研究を行った。まず第一に,異なる環境条件に生育する散孔材樹種であるダケカンバ(Betula ermanii);中部山岳2地点,ブナ(Fagus crenata);東北地方4地点,を対象とし,地点を代表する年輪幅や年輪構造の変動であるクロノロジーを作成した上で,気候要素との関係解析を行った。分布下限に生育するダケカンバ年輪幅では,夏期の水ストレスを敏感に反映していたが,分布上限では夏期の気温と正の相関を示した。従って,生育上限と下限では成長制限要因が大きく異なることが確認された。しかしながら両者とも年輪指標は夏期の気侯条件を敏感に反映しており,気候復元指標として優れていると考えられる。ブナの年輪幅および年輪内最大密度の変動は,地点間での変動の共通性が低く,また,地点によって影響を及ぼしている気候要素に大きな違いが認められた。従って,ブナの肥大成長に関する制限要因は生育地によって大きく異なると考えられ,気侯復元へ適用に当たっては,さらなる地点や生育条件における研究が必要と考えられる。
第二に,広葉樹環孔材樹種〔ヤチダモ(Fraxinus mandshurica var. japonica)およびアカエゾマツ(Picea glehnii)を用いた北海道北部における過去270年間の夏期の気温および降水量の復元を試みた。統計的検証の結果,気侯復元が可能なことが実証されるとともに,ヤチダモの孔圏幅,孔圏外幅を加えることにより,復元精度が大幅に向上した。
以上の結果より,広葉樹環孔材および散孔材樹種の年輪幅や年輪構造はそれぞれ肥大成長時期の気候条件に敏感に反応して変動しており,これら指標を用いることで,高精度の過去の気侯復元が可能となることを明らかにした。
以上の内容は4th International Conference on Dendrochronologyおよび2002年度日本木材学会大会等で口頭発表した。また,現在,国際学術誌に投稿中および投稿準備中である。

報告書

(2件)
  • 2002 実績報告書
  • 2001 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Takahashi, K., Azuma, H., Yasue, K.: "Effects of climate on the radial growth of tree species in the upper and lower distribution limits of an altitudinal ecotone on Mt. Norikura, central Japan"Ecological Research. (in press).

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2016-04-21  

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