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魚類寄生粘液胞子虫に超寄生する微胞子虫の病害性

研究課題

研究課題/領域番号 13760136
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 水産学一般
研究機関東京大学

研究代表者

横山 博  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (70261956)

研究期間 (年度) 2001 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワード粘液胞子虫 / 微胞子虫 / トラフグ / 原虫 / 超寄生 / 遺伝子解析
研究概要

養殖トラフグの「やせ病」病魚腸管に寄生する複数種の粘液胞子虫およびその栄養体に超寄生する微胞子虫について分子レベルで解析するため、寄生虫のDNAを抽出してSSUrRNA遺伝子領域を増幅し、シーケンスして塩基配列を決定した。材料としては、単独感染状態で入手しやすいMyxidium fuguを用いた。その結果、約1600bpのDNAが得られ、遺伝子情報が既知の(Gene Bankに登録されている)他の粘液胞子虫を含めて系統解析を行ったところEnteromyxum属粘液胞子虫に極めて近縁であることが明らかとなり、特にターボットの腸管に寄生して「やせ病」類似の疾病を引き起こすE. scophthalmiと85%以上の相同性を有していた。粘液胞子虫に超寄生する微胞子虫については、その形態学的特徴から従来はNosema属とされていたが、遺伝子解析の結果は、むしろLoma属やlchthyosporidium属に近いことを示している。以上より、これらの魚類腸管寄生粘液胞子虫および超寄生微胞子虫は分類学的位置を再検討する必要があると考えられた。また、上記の遺伝子情報は寄生虫の感染・発育動態を解明する際の有効な検出ツールになりうる。
昨年度の結果と合わせて検討した結果、Myxidium fugu (= Enteromyxum fugu?)の感染と超寄生微胞子虫の感染はリンクしておらず、微胞子虫は粘液胞子虫の感染性に影響を及ぼさないことが示された。粘液胞子虫の発育(胞子形成など)を阻害するかという点については更に研究が必要であるが、影響を与えないのであれば、「寄生」よりは「共生」に近い関係といえるかもしれない。微胞子虫が粘液胞子虫にどのように感染するかというメカニズムについても依然不明のまま残されたが、トラフグ「やせ病」の病害を軽減するための生物学的防除策としてはあまり有効ではないと考えられる。

報告書

(2件)
  • 2002 実績報告書
  • 2001 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2016-04-21  

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