研究課題/領域番号 |
13760198
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用動物科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
杉本 実紀 京都大学, 農学研究科, 助手 (20243074)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 核磁気共鳴法 / 磁気共鳴画像法 / 磁気共鳴顕微鏡法 / 組織傷害 / 核磁気共鳴画像 / 細胞死 |
研究概要 |
磁気共鳴顕微鏡による生体内構造の観測条件についてマウス成熟個体での検討を行った。測定中の対象の移動が画像に顕著に影響したため、運動の少ない雄性生殖器官(主に精巣)を観測対象とし、2次元および3次元フーリエ変換スピンエコー法により麻酔下に断層画像を観測した。2次元像の組織コントラストは、プロトン密度強調像では骨組織は低信号でその他の組織は中〜高信号であったのに対し、T2強調像では精巣、脂肪組織、精巣上体の一部、および疎生結合組織と推定される領域、T1強調像では脂肪組織が相対的に高信号でそれ以外の部分は低信号となった。3次元観測は観測マトリックス数が増加するため通常のスピンエコー法では繰り返し時間が短いT1強調像のみが妥当な時間内に観測できたが、大部分の組織は低信号で十分なコントラストが得られなかった。そこで励起パルスを90°より大きい角度としたフリップバック-スピンエコー法を用いたところ、T1強調と同じ測定時間でプロトン密度強調像およびT2強調像と同様な画像が観測できた。さらに観測領域の制限等を併用することで測定時間を短縮した。これらの方法でマウスの生体内画像観測が可能となったが、死細胞の特異的標識法の確立には至らなかった。また、細胞のエネルギー代謝の指標となるリンの生体内スペクトル観測では、比較的弱い傷害の例としてマウスにエストロゲン様化合物を投与した場合の雄性生殖器への傷害の検出について検討したところ、投与個体の一部でフォスフォジエステルのシグナルの低下が観察された。これらの個体の精巣組織においては変性細胞が散見され精細管内腔の精子が減少する傾向が認められた。血流停止時の観測等から予測されたATPの信号低下と無機リンの信号増強は観察されなかったが、NMRスペクトル法によりマウスの雄性生殖器系へのエストロゲン様化合物の影響が非侵襲的に解析できる可能性が示された。
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