研究課題/領域番号 |
13760224
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
大塚 浩通 北里大学, 獣医畜産学部, 助手 (40327458)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 黒毛和種子牛 / 虚弱 / γδT細胞 / ポピュレーション |
研究概要 |
(1)供試牛は黒毛和種子牛、15頭で下痢を発症し獣医治療を必要とした下痢群6頭と健康に成長した健康群9頭とした。下痢群の血糖、総コレステロールならびに血清アルブミンは出生後2週間に健康群に比べ低下した。下痢群のCD3^+CD45R^+T細胞は健康子牛に比べ観察期間中持続的な低値を示した。CD3^+CD45R^-T細胞およびCD3^+TcR1-N12^+細胞数は健康子牛において出生後増加して1ヶ月後に最高値になったのに対し、下痢群では殆ど増加することなく、0.5、1ヶ月において有意な差が認められた。このことから幼齢期に下痢症を発症した黒毛和種子牛では、γδT型細胞、メモリー・ナイーブT細胞が持続的に減少していることが明らかとなった。(2)子牛の下痢と細胞性免疫の詳細な解析を実施するため、出生後3ヶ月の子牛85頭の細胞性免疫状態を評価した。供試子牛は黒毛和種群、ホルスタイン群と下痢を発症した下痢群である。出生後1ヶ月内の下痢群のCD3^+CD45R^+T細胞は他の群に比べ増加したが、CD3^+CD45R^-T細胞は反対に低下することが明らかになった。出生後1ヶ月内のCD3^+TcR1-N12^+細胞数はホルスタイン種に比べ他の群で低値を示し、特に下痢群で顕著だった。PHA刺激培養後のCD25^+TcR1-N12^+細胞比率はホルスタイン種に比べ他の群で明らかな低値を示し、TcR1-N12^+細胞のCD25^+の蛍光強度も明らかに低かった。PHA刺激培養後の幼若化反応は全ての群で出生後1週以内に低値を示し、IL-2感受性は全ての群で1ヶ月内に上昇する傾向を示した。単球中MHCclassII^+陽性率は下痢群で他の群に比べ明らかな低値を示した。以上のことから幼齢期の牛の中で下痢や肺炎の発生率の高い黒毛和種ではホルスタイン種に比べ、メモリーT細胞とγδT細胞が減少している、γδT細胞の活性が低い、γδT細胞のIL-2レセプターが少ない、特に下痢を発症した子牛では単球中MHC classII^+陽性率が低下する、ことが明らかとなった。
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