研究課題/領域番号 |
13770049
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
金 徒慶 杏林大, 医学部, 助手 (40327474)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | アミノ酸輸送系 / 芳香族アミノ酸 / 輸送系T / クローニング / ツメガエル卵母細胞 / Na^+-非依存 / 促通拡散型 / 上皮輸送 |
研究概要 |
輸送系T(system T)は、Na^+-非依存的に芳香族アミノ酸を輸送するアミノ酸輸送系であり、種々の細胞で存在が確認されてきたが、その分子実体は明らかにされていなかった。我々は、その分子実体を明らかにすることを目的として、ラット小腸mRNAを材料とし、発現クローニングを行った。ラット小腸由来のmRNAのサイズ分画の結果、2.2〜2.6kbに^<14>C-トリプトファン取り込みのピーク活性を見い出した。その画分よりcDNAライブラリーを作製し、ツメガエル卵母細胞に発現させ、^<14>C-トリプトファン取り込みを指標にスクリーニングすることにより、機能活性を有するクローンを単離した。単離したクローンは、12回膜貫通領域を有すると予想される514アミノ酸からなる新規タンパク質(TAT1:T-type amino acid transporter 1と命名)をコードしていた。TAT1は、トリプトファン、フェニルアラニン、チロシン、L-ドーパ等の芳香族アミノ酸をNa^+-非依存的に輸送する促通拡散型のトランスポーターであり、古典的輸送系Tの性質を備えていた。TAT1を介するトリプトファンの取り込みは、基質アミノ酸のN-メチル体及びN-アセチル体により抑制されたが、メチルエステルによっては抑制されず、TAT1は基質アミノ酸をアニオンとして認識することが示唆された。TAT1は、ラットでは小腸、大腸、胎盤、肝に発現が検出された。特異抗体を作製し免疫組織化学的検討を行ったところ、小腸では、上皮細胞の血管側膜に存在することが明らかになった。TAT1は、芳香族アミノ酸及び類似薬物の上皮輸送における血管側への出口として機能しているものと考えられる。
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