研究課題/領域番号 |
13770073
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
松井 理 金沢医科大学, 医学部, 助手 (60288272)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | C型肝炎ウイルス / インターフェロン / PKR / コアタンパク質 |
研究概要 |
昨年度、我々は組み換えタンパク質を用いたin vitroの実験により、HCVコアタンパク質がPKRを阻害する活性を示すことを見出した。本年度では、続いて、コアタンパク質の細胞内での働きを調べ、以下の結果を得た。 1.PKRを酵母で過剰発現させると、翻訳開始因子eIF2のリン酸化によりタンパク質合成が阻害されるため、酵母の生育が著しく阻害される。ここにさらにPKRの阻害タンパク質を共発現させると、PKRの効果が抑制されるため、酵母の生育が回復することが知られている。そこで、酵母内でコアタンパク質をPKRと共発現させたところ、酵母の生育が阻害されなかったことから、in vitroと同様、コアタンパク質がPKRを阻害することが強く示唆された。 2.通常、動物細胞内にわずかに発現されているPKRがeIF2をリン酸化することによって、タンパク質合成が部分的に阻害されている。ここにPKRの阻害タンパク質を発現させると、PKRの効果が抑制されるため、タンパク質合成量の増加が観察されることが知られている。そこで、コアタンパク質遺伝子を動物細胞に導入したところ、タンパク質合成量の増加が見られた。ここでタンパク質合成量はルシフェラーゼ遺伝子の発現量でモニターした。また、この時、コアタンパク質とPKRはどちらも細胞質に局在していた。 以上の結果から、NS5A、E2タンパク質などの他のHCVタンパク質と同様にコアタンパク質にもPKRを阻害する活性が新たに認められ、HCVによるPKR阻害の新たな機構が明らかになった。
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