研究概要 |
平成13年度から14年度にかけて,研究代表者はFIZ(film in situ zymography)の動脈硬化の分子機構の基礎的研究かつ臨床応用に耐えうる感度と特異性を得る事ができた.ゼラチナーゼとされる2種類のMMPs(MMP-2,MMP-9)のうち特にMMP-9について,粥腫(プラーク)の脆弱性および破綻(acute coronary syndrome)の分子機構に血栓ができる際に亢進する線溶系酵素plasminによるMMP-9活性化機構が大きく寄与する場合があることがが判明した(Zuka M, et al. Vascular tissue fragility assessed by a new double stain method. Applied immunohistochemistry & Molecular Morphology,11(1),78-84 2003).またtrapidilをはじめとして組織培養中に添加した薬剤のいくつかが血管組織のMMPs産生に対し抑制的に働く(P<0.001)ことが確認された.薬剤の添加時と非添加時とでMMPs活性の局在に変化を把握し,必要に応じて免疫組織化学との二重染色の施行を可能とするシステムの開発に成功した.本システムは患者の体質に合わせたオーダーメイド医療に大きく貢献するものと考えられる.
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