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乳癌の浸潤・転移に関与するアクチン繊維結合タンパク質の機能とその制御

研究課題

研究課題/領域番号 13770120
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 実験病理学
研究機関独立行政法人放射線医学総合研究所

研究代表者

勝部 孝則  独立行政法人, 放射線医学総合研究所・低線量生体影響プロジェクト, 研究員 (10311375)

研究期間 (年度) 2001 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
キーワード細胞間接着 / 上皮細胞 / 乳癌 / アクチン繊維 / cortactin / isoforms / isoform
研究概要

ヒトの乳癌の15%で遺伝子増幅が見られるEMS1遺伝子は,がん遺伝子と考えられている。その産物cortactinは,膜状仮足などアクチン重合の盛んな細胞突起に濃縮され,癌細胞の浸潤・転移に関与すると考えられている。我々はハエの解析から,cortactinが密着結合の裏打ちタンパク質Z0-1と共に上皮細胞の細胞間接着に関与する可能性を示している。今回,マウス転写産物の解析から,37アミノ酸を単位とする反復配列の数が異なる5種のイソ型cortactin(6.5,5.5,4.5,3.5,2.5型)を見いだした。ほとんどの臓器で6.5と5.5型(メジャー型)が9割以上を占め,4.5,3.5,2.5型(マイナー型)の発現は極めて低かった。脳では,4.5型がメジャー型と同レベルで発現されていた。乳腺の中でも特に上皮細胞ではマイナー型の発現が比較的高い可能性も示された。各イソ型の発現のバランスで,組織毎,細胞毎の機能調節がなされている可能性がある。各イソ型の機能を検討するために,蛍光タンパク質等で標識したcortactin発現ベクターを,ほ乳類の上皮細胞株に導入した。ハエと同様,哺乳類上皮細胞においても内在性cortactinは細胞間接着部位に濃縮された。この局在はアクチン細胞骨格に依存し,アクチン重合の阻害剤により妨げられた。標識した外来性cortactinについても,全てのイソ型が細胞間接着部位に濃縮された。しかし,反復領域の短いイソ型ほど濃縮の効率が低く,反復領域欠失変異型は濃縮されなかった。アクチン繊維結合を検討したところ,反復領域の短いイソ型ほど結合が弱く,反復領域欠失変異型は結合しなかった。C末SH3領域の欠失変異は,局在にもアクチン繊維結合に影響しなかった。細胞間接着部位への局在にはアクチン繊維結合が重要であり,反復領域が短くアクチン繊維結合の弱いイソ型ほど濃縮の程度が低いと結論された。予備的知見であるが,SH3領域欠失変異型cortactinの過剰発現により密着結合の形成が促進されることを示唆する結果を得ている。各イソ型の発現と密着結合の形成について検討中である。

報告書

(2件)
  • 2002 実績報告書
  • 2001 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 小野田眞, 勝部孝則, 稲野宏志: "ラット精巣上皮細胞の密着帯関連タンパク質に対する一酸化窒素の影響"磁気共鳴と医学. 13巻. 101-104 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2016-04-21  

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