研究課題/領域番号 |
13770141
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
柴田 尚宏 国立感染症研究所, 細菌第二部, 研究員 (50311402)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | グラム陰性桿菌 / メタロ-β-ラクタマーゼ / 基質拡張型β-ラクタマーゼ / 薬剤耐性菌 / 院内感染 / インテグロン / CTX-M β-ラクタマーゼ |
研究概要 |
クラス3型インテグロン構造に担われるメタロ-β-ラクタマーゼ産生株は我が国でしか検出されていない。臨床分離カルバペネム耐性セラチアAK9373株から全DNAを抽出し、クローニングに用いる。BamHIでクローニングした約7kbのblaIMP遺伝子を持つ組み換えプラスミドpSMB731をBamHIにてファージミドベクターに組み込み、deletionクローンを作成する。これを用いて塩基配列の解析を行ない、クラス3型インテグロンの全遺伝子構造を明らかにした。さらに遺伝子解析したインテグロン構造のヌクレオチドからプライマーを設計し、臨床分離メタロ-β-ラクタマーゼ産生株約900株からのスクリーニングを行ない、新たにP.putidaからクラス3型インテグロン構造を持つ株を発見した。さらに構造解析によってAK9373株や既存のクラス1型インテグロン構造とは異なる構造が明らかとなった。これらの中には院内感染を呈していると考えられるものもあり、臨床的にも重要と考えられた。また、基質拡張型β-ラクタマーゼ産生菌に関しては、我が国における検出状況を明らかとし、CTX-M-1型、CTX-M-2型、CTX-M-9型の3タイプの遺伝子型を持つものが多いことを明らかとした。さらにCTX-M-1型のグループでは、CTX-M-3型が多く、また、Toho-1型と考えられていた株はCTX-M-2型であることが初めて明らかとなった。PFGE解析により、医療施設によっては、こうした耐性菌が、院内感染を呈しているものもあった。これらを用い、欧米に多く検出されるTEM-,SHV-型とCTX-M-タイプβ-ラクタマーゼ産生菌を阻害剤を用いたディスク拡散法を用いて分別も可能であることも明らかとし、メタロ-β-ラクタマーゼ産生菌検出のメルカプト酢酸ナトリウムのディスクと組み合わせることにより、臨床現場での迅速な薬剤耐性菌の報告により正確に反映することがえきることが示唆される。
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