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ツツガ虫病リケッチア感染の免疫応答に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13770144
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 細菌学(含真菌学)
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

小川 基彦  国立感染症研究所, ウイルス第一部, 研究員 (10322710)

研究期間 (年度) 2001 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワードツツガ虫病 / 免疫応答 / サイトカイン / DIC / 白血球減少 / 臍帯内皮静脈細胞 / 単球 / 内皮透過性 / さい帯内皮静脈細胞
研究概要

ツツガ虫病の起因菌Orientia tsutsugamushiはリンパ球や血管内皮細胞など細網内皮系細胞に主に感染する.その結果,ヒトには免疫応答など様々な生体反応が誘発され,発熱,発疹,CRP,肝酵素の上昇などの症状が起きる.また,一部の患者は播種性血管内凝固(DIC)をおこし重症化する.
そこで,本研究ではツツガ虫病の免疫応答と病態の関係に注目し解析をおこなった.まず,患者の発生状況や臨床所見に関して行った調査票による疫学調査の中で,特に免疫応答に関連するリンパ球を含む白血球減少,DICなどの所見に注目し疫学的な解析をおこなった.その結果,主に春に発生が多くGilliamおよびKarp株の感染が多い東北・北陸地方は白血球減少およびDICをおこす頻度が高く,重症度が高いこと,一方で秋に発生が多くKawsakiおよびKuroki株の感染が多い関東および九州地方では頻度が低く,症状が軽いことが明らかになった.これらの結果から,本菌の血管内皮細胞やリンパ球への感染による免疫応答が病態と密接に関係している可能性が示唆された.次に,ヒト臍帯内皮静脈細胞(huvec)に病原性の強いKarp株を感染させ,免疫応答のメディエーターであるサイトカインの誘導を解析した.huvecにKarp株を感染後,感染細胞からRNAを抽出しRT-PCRによりmRNAレベルでサイトカインの発現を解析した.その結果,感染後72時間でIL-6,8,GMCSF, MCP-1,RANTES, TNFαの発現がみられた.また,同様の解析をヒト単球セルラインU937で行ったところ,IL-1β,8,RANTES, TGFβの発現がみられた.また,U937にはKarp株への感受性が高かったが,別の単球セルラインのK562は感受性が低かった.また,huvecを用いた血管透過性の解析では,およびを用いて,Transwellメンブレン上のモノレイヤーの感染後の電気抵抗の変化をEndohmにより解析した.その結果,Karp株の感染およびTNFα(陽性対照)により透過性が亢進した.
今後,産生されるサイトカインの役割,内皮透過性,単球への感受性,病原性の異なる株による違いに注目した解析を行い,各細胞のin vitroにおける役割・応答を解析するための基礎データが蓄積できた.

報告書

(2件)
  • 2002 実績報告書
  • 2001 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 小川基彦 他: "わが国のツツガムシ病の発生状況〜疫学的考察〜"感染症学雑誌. 75・5. 353-358 (2001)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 小川基彦 他: "わが国のツツガムシ病の発生状況〜臨床所見〜"感染症学雑誌. 75・5. 359-364 (2001)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Ogawa, M.et al.: "Current Situation of Scrub Typhus in Japan Epidemiology and Clinical Features of the Cases Reported in 1998"American Journal of Tropical Medicine and Hygiene. 67・2. 162-165 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 小川基彦: "わが国のツツガムシ病の発生状況-疾学的考察-"感染症学雑誌. 75・5. 353-358 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 小川基彦: "わが国のツツガムシ病の発生状況-臨床所見-"感染症学雑誌. 75・5. 359-364 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] OGAWA, M.: "Current Situations of Scrub Typhus in Japan : Epidemiology and Clinical Features of the Cases Reported in 1998"American Journal of Tropical Medicine and Hygiene. (in printing).

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2016-04-21  

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