研究概要 |
本研究では、1986-87年および1994-95年度に測定した茨城大学学生の身体組成と2001-2002年度の茨城大学生の身体組成を比較することを主な目的とした。それに加えて、身体活動量を把握するために、歩数計測も可能な一次元加速度計による歩数等の測定や、EAT-26を用いた食行動異常に関する調査、ボディイメージの歪みを検討するための質問紙調査を実施した。被験者については、運動習慣のない一般学生(運動部員や保健体育・スポーツ専攻学生を除く)を幅広く募集した。その結果、今回は男子44名、女子63名の測定データを用いることとした。Body Mass Index (kg/m^2)は男子で平均21.6kg/m^2、女子で20.4kg/m^2であり、国民栄養調査における同世代の値に近かった。また体脂肪率は、男子で平均15.5%、女子で23.9%であった。全体として、2001-2002年の各項目の平均値は1986-1987年より1994-1995年の結果に近かった。男子において1986年より1994-1995年にかけて身長・体重ともに有意に増加していたため、Fat Mass Index (FMI, kg/m^2)、Fat-Free Mass Index (FFMI, kg/m^2)で身体組成を評価することとした。男子では、2001-2002年と他の年との間に有意差はみられなかった。一方、女子では、1994-1995年や2001-2002年は、1986年より有意にFFMIが小さく、1994-1995年の状態が維持されていることが明らかとなった。また、ライフコーダで測定した歩数は男子で7,757歩、女子8,447歩で、国民栄養調査における全年代の平均値と大きな差はみられなかった。EAT-26において摂食行動異常が疑われる者は少なかったが、多くの女子においてやせ願望やボディイメージの歪みがみられた。
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