• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

動脈硬化病変局所におけるLeY抗原発現とその機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 13770220
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 法医学
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

牛山 郁子  滋賀医科大学, 医学部, 助手 (70283562)

研究期間 (年度) 2001 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワード動脈硬化 / マクロファージ / 血管平滑筋細胞 / 泡沫化 / LeY抗原 / 糖付加酵素 / 泡沫細胞 / α-(1,3)-fucosyltransferase / α-(1,2)-fucosyltransferase
研究概要

動脈硬化病変におけるLeY抗原の発現について免疫組織学手法を用いて検討した.
内膜の動脈硬化病変に存在する泡沫細胞は抗CD68抗体にて染色性を認めたが,LeY抗原の発現は弱い,あるいは認められなかった.内膜・中膜の境界部に存在する,あるいは中膜に存在する抗CD68抗体に対する反応性が弱いか認めない泡沫細胞ではLeY抗原の発現が認められた.このLeY抗原の発現はA型個体ではα-N-acetylgalactosaminidaseによる酵素処理後,B型個体ではα-galactosidaseによる酵素処理後に認められた.外膜からの新生血管侵入部周囲に存在する泡沫細胞にも染色性を認めた.内膜,中膜における細胞内の脂質含有量が少ない泡沫細胞ではLeY抗原の発現が強く,脂質含有量が多い細胞ではLeY抗原の発現が弱い,あるいは認めなかった.
これらの結果から冠動脈,大動脈の粥状動脈硬化病巣に集簇する泡沫細胞はLeY抗原を発現しているが,A型個体はα-N-acetylgalactosaminidase処理により,B型個体はα-galactosidase処理により染色性が増強していることから,血液型がA型,B型個体においてはALeY, BleY抗原として発現していると考えられる.
粥腫周囲のshoulder regionにはTリンパ球が混在すると言われているが,この部位に存在する泡沫細胞ではLeY抗原の発現は弱い,あるいは認めなかった.中膜に存在する含有脂質量が少量の泡沫細胞にはLeY抗原の発現が認められた.泡沫細胞の存在部位,泡沫化形態によりLeY抗原の発現様式が異なることから,内膜でのTリンパ球との,あるいは中膜での血管平滑筋細胞とのインターアクションがLeY抗原の発現に何らかの影響を与えていると考えられる.また,細胞内脂質含有量の違いがLeY抗原の発現に影響を与えていることから,マクロファージの泡沫化の課程でLeY抗原が発現する,あるいは中膜の胎児化した血管平滑筋細胞が泡沫化した際にLeY抗原が発現することが推測される.
α-(1,3)-fucosyltrasferase(α1,3FuT)はsLeX抗原合成に関与する糖付加酵素の1つである.マクロファージを変性リポ蛋白により泡沫化させることによりα1,3FuTファミリーのうち,FuTIVおよびFuTVIIの活性が減少することが報告されている.本研究において変性リポ蛋白によるマクロファージあるいは胎児化血管平滑筋細胞の泡沫化においてα1,2FuT活性が上昇,Le型抗原の合成経路のうちLeY抗原合成経路が活性化されることが推測された.

報告書

(2件)
  • 2002 実績報告書
  • 2001 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] I.Ushiyama, A.Tanegashima, Y.Yamamoto, K.Nishi: "The expression of LeY antigen on foam cells in atherogenic process"16^<th> Meeting of the International Association of Forensic Sciences. C902. C902C0347 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 種子島 章男: "ヒトリンパ系組織高内皮細静脈におけるLeY抗原の組織特異的発現"リンパ学. 24-2. 97 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書

URL: 

公開日: 2001-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi