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高齢者犯罪に関する社会医学的研究―特に他殺事件例を中心として―

研究課題

研究課題/領域番号 13770228
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 法医学
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

馬場 美年子  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20286446)

研究期間 (年度) 2001 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード高齢者 / 殺人 / 犯罪学 / 無理心中
研究概要

1972年〜2001年における司法解剖記録より高齢被疑者・被害者を検索して検討を行った。当期間の解剖事例は2,585例あり、高齢者が被疑者であったものが62例、被害者であったものが385例あった。
高齢被疑者の割合は、1972〜1976年には1.4%であったが1997〜2001年では4.2%と増加しており、特に殺人被疑事件の増加が顕著である。1970年及び2000年の高齢者人口率の増加と比して、高齢者の犯罪被疑率は相対的に増加しているといえる。故意犯の動機として注目されるのは、病苦・介護疲れであり、高齢者が被疑者となった事例のうち、殺人被疑事件については2/3が被害者または被疑者の身体的・精神的疾患が大きく関与している。被害者の疾患としては脳血管障害による寝たきり状態という事例が半数を占める。これは殺人被疑事件中、病苦・介護疲れからの心中(無理心中)が約60%を占める高率であるという結果につながるものであり、被害者の年齢が被疑者と同世代の高齢者である事例が全事例と比較してかなり高いことにも大きく関連している。高齢者犯罪の予防として介護者及び要介護者の実質的支援が重要であると思われる。
その他の動機でも家族内でのトラブルによるものが92%を占め、全事例では被疑者が判明している事件のうち、家族内でのものが半数であるのに対し、高齢被疑者による事例では92%であり、面識なしの事例はみられない。最も多かったのは夫婦間での犯行であった。
また過失犯では医療過誤被疑事件が多いことが特徴的である。分娩、虫垂炎における腰椎麻酔、投薬が主なもので、一般に事故報告事例の多い陣痛促進剤・局所麻酔剤の使用も10例中4例にみられる。医療行為に不適切な点があると鑑定されたものは2例あった。
現在、高齢被疑者の処分結果を調査中であり故意犯、過失犯別に、被疑事件の予防と処分のあり方についてさらに検討していきたい。

報告書

(2件)
  • 2002 実績報告書
  • 2001 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2016-04-21  

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