研究課題/領域番号 |
13770249
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
東 秀明 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助手 (20311227)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | Helicobacter pylori / シグナル伝達 / ホスファターゼ |
研究概要 |
Helicobacter pylori CagAタンパク質は菌体内で合成後、感染後宿主細胞内に注入され分子内に存在する複数のチロシン残基がリン酸化を受ける。申請者は細胞内におけるCagA分子の機能ならびにCagA分子が宿主細胞に与える影響を検証し、CagAタンパク質固有の性質を解明することを目的として研究を遂行した。その結果、胃上皮細胞にCagAを異所性発現させる系を用いCagA細胞内標的分子としてチロシンホスファターゼSHP-2を同定した。CagA-SHP-2複合体の形成にはCagAのチロシン残基のリン酸化が必須であることを示し、加えてCagA-SHP-2複合体の形成により、SHP-2のフォスファターゼ活性は著しく増強していることを明らかにした。また遺伝子導入細胞は、CagA陽性H. pylori感染時に観察される細胞形態変化(hummingbird phenotype)を、SHP-2活性化依存的に示すことを見い出した。そのような細胞形態の変化は増殖因子で細胞を刺激した時にも出現することから、細胞内へのCagAタンパク質の侵入はSHP-2との相互作用を通して増殖刺激と同様の影響を細胞にもたらしていることが明らかとなった。また、胃癌の高い発症率を示す東アジアで単離されたH. pylori株が保有するCagAが、他の地域で単離されたH. pylori株由来のCagAと構造的に異なり、SHP-21に対して強い親和性を示すことを明らかにした。そして、この事象が東アジア型CagAのみに保存される一つのアミノ酸残基に起因することを明らかにした。
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