研究課題/領域番号 |
13770270
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
稲村 俊明 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60306686)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | 上皮内リンパ球(IEL) / 脂肪酸 / interferon-γ / IEL / IFN-γ / 腸管粘膜 |
研究概要 |
食事中の脂肪が腸管免疫能にどのような影響を及ぼすかについて検討する目的で、マウス小腸上皮より上皮内リンパ球(intraepithelial lymphocyte : IEL)を単離培養し、そこへ中鎖脂肪酸および各種の長鎖脂肪をミセル化して添加することによりリンパ球機能や増殖への影響を検討した。リンパ球機能は2種類の受容体刺激(抗CD-3抗体およびIL-12/IL18の同時投与)により、産生するinterferon-γをELISA測定し、mRNAをRT-PCRにて評価した。リンパ球増殖は抗CD-3抗体刺激によるthymidine-uptakeにより評価した。中鎖脂肪酸の投与はIFN-γ産生に影響を与えなかったが、長鎖脂肪酸とくにアラキドン酸・リノール酸・オレイン酸はIFN-γ産生を濃度依存性に低下させた。長鎖脂肪酸によるIFN-γ産生の抑制効果は、抗CD-3抗体およびIL-12/IL18でのいずれの刺激下でも同様に観察された。また、長鎖脂肪酸はIELの増殖能も抑制した。n-3系の魚油はリノール酸と類似の抑制効果を認めたが、その程度はリノール酸に比べ少なかった。IELのうちαβT細胞受容体を有する分画がTCRγδ分画より刺激への反応性が強かったが、その際に長鎖脂肪酸による抑制の程度に差はなかった。14年度は更に小腸ループを作成し、in vivoで小腸管腔に長鎖脂肪酸ミセル(リノール酸ミセル)を投与した後に、分離したIELに関してのIFN-γ産生能や細胞増殖能に関しても解析した。脂肪酸投与は高濃度でIFN-γ産生能や細胞増殖能を低下させる傾向にあったが、脂肪酸の種類による相違は充分検討できなかった。以上の検討より、腸管腔内で食事の主な構成脂肪である長鎖脂肪酸の腸管上皮への接触により、IEL機熊が有意に変化することが明らかとなり、食事因子による腸管免疫の修飾が示唆された。
|