研究課題/領域番号 |
13770273
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
池嶋 健一 順天堂大学, 医学部, 講師 (20317382)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | レプチン / 肝線維化 / 非アルコール性脂肪性肝炎 / Kupffer細胞 / 肝星細胞 / エンドトキシン肝障害 / TNF-α / ICAM-1 / 脂肪肝 / 細胞外基質 / TGF-β / 肝類洞内皮細胞 |
研究概要 |
本研究では肝の炎症および線維化におけるleptinの関与を明らかにすることを目的として検討を進めてきた。前年度は実験的肝線維化モデルにおいて活性化肝星細胞がleptinを産生することおよびleptinが線維化増強作用を有することを明らかにしてきたが、線維化に先行する炎症におけるleptinの作用に関しては不明の点が多いため、今年度はエンドトキシン肝障害に対するleptinの影響について検討を加えた。雄性C57Bl/6系マウスにおいてLPS投与24時間後に見られる肝障害はleptinの同時投与で著明に抑制されたが、LPS投与後の血清TNF-α値上昇はleptin投与で影響を受けなかった。一方、LPS投与6時間後に認められる肝組織中での白血球膠着浸潤および類洞壁のICAM-1陽性染色像はleptin同時投与群で明らかに抑制されており、肝組織中ICAM-1 mRNA発現誘導も減弱していた。さらにin vitroの系においてもTNF-αによる類洞内皮細胞のNFκB活性化およびICAM-1 mRNA発現誘導がleptinにより濃度依存的に抑制された。従ってleptinはin vivoにおいてLPSによるマクロファージのTNF-α産生には直接影響を及ぼさず、むしろその後に生じる類洞内皮細胞でのICAM-1発現誘導などに伴う白血球浸潤を抑制することによりエンドトキシン肝障害を軽減するものと考えられた。以上より、アルコール性肝障害や非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)など腸内細菌由来エンドトキシンが深く関与している病態において、leptinが類洞局所の炎症・線維化反応を修飾する因子として重要な役割を果たしている可能性が示唆された。
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