研究概要 |
喘息の難治化の予知に有益となる喘息治療の新たなターゲットを見出すことを目的に遺伝子多型を検討した。気道過敏性の面からムスカリン受容体の多型を検討することとした。対象は1.成人喘息症例、54例 2.成人の小児喘息寛解症例 3.小児喘息症例64例 4.成人難治性喘息症例8例 5.健常人117例を対象に検討した。同時に各群の患者について発作歴を聴取し、背景として、総IgE、IgERAST(吸入系:ハウスダスト、ダニ、スギ、ブタクサ、ネコ毛)、好酸球数を検討した。ムスカリンのM2M3の遺伝子についてはダイレクトシークエンス法で解析した。 気道過敏性のネガティブフィードバックに関与しているM2受容体については1050番目に塩基がAからGに置換されているSNIPが同定できたが、喘息と健常人では頻度に差異を認めなかった。M3については全く変異を認めなかった。また喘息寛解患者についても差異をみとめず、気道過敏性を規定する遺伝要因として、M3,M2のSNIPは関与してる可能性は少ないと考えられた。
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