研究課題/領域番号 |
13770316
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
青木 正志 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (70302148)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 筋萎縮性側索硬化症 / 運動ニューロン / 選択的細胞死 / 家族性 / トランスジェニックマウス / 点突然変異 |
研究概要 |
筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis以下ALS)は進行性の神経変性疾患で、その予後はきわめて不良である。近年、家族性ALSにおいてCu/Zn superoxide dismutase(以下Cu/Zn SOD)遺伝子の変異が報告され、それによる運動ニューロン選択的細胞死の機序の解明が待たれている。本研究ではCu/Zn SOD遺伝子異常による運動ニューロンの選択的細胞死の機序を解明するために、研究代表者である青木が既に報告している日本人独自の点突然変異をマウスに導入し、ALSの新しいモデルマウスの作成を行った。遺伝子変異による臨床経過の違いのメカニズムを検討するために、常法により臨床的に非常に急速な経過をとるALS家系での点突然変異(L84V)と極めて緩徐な経過をとるALS家系の突然変異(H46R)を持つ2種類のトランスジェニックマウスの作成を行った。どちらの変異を導入したトランスジェニックマウスもCu/Zn SOD活性の上昇はなく、病理像として空胞変性の少ないヒトのALSに近いモデルと考えられた。脊髄前角の神経細胞脱落、グリオーシスは両変異ともに認められた。しかし神経細胞、ダリア細胞内に認められるLewy-body like inclusionがH46R変異マウスにおいて著明に認められるのに対して、L84V変異マウスではその頻度は低かった。変異の異なる2種類のトランスジェニックマウスを比較すると、Cu/Zn SOD遺伝子変異を伴う家族性ALSにおける臨床像と相似した結果であった。新しいモデルマウスの作成により、神経細胞およびダリア細胞に見られるinclusion bodyは神経細胞死に直接関与するものではない可能性および神経細胞死には小胞体ストレスが関与している可能性が示唆された。
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