研究課題/領域番号 |
13770328
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
新倉 貴子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10301491)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / アミロイド前駆体蛋白 / プレセニリン / カスペース / 神経細胞死 / c-Jun N-terminal kinase / ヒューマニン / TRIM11 / アミロイド前駆体蛋白質 / 抗酸化剤 |
研究概要 |
1)家族性アルツハイマー病(AD)遺伝子による細胞死機序 アミロイド前駆体蛋白質(APP)の細胞外領域を認識する抗APP抗体を大脳皮質神経細胞に添加すると細胞死が誘導されることを発表した。細胞死機序の詳細な解析の結果、家族性ADのロンドン型APP変異体が惹起する細胞死機序と同一であることが分かった。すなわち、抗体や変異の刺激により、APPの細胞内領域に結合する三量体G蛋白質Goが活性化され、APPのC末端に介在性蛋白質JIPを介して結合しているJNKに伝達され、下流のNADPH酸化酵素やカスペースの活性化を促して細胞死が誘導される。JNKは、様々な細胞死誘導因子刺激で活性化されることが広く知られており、また、ベータアミロイド(Aβ)の刺激でも神経細胞内で活性化されることが複数のグループから報告されている。よって、APPがAβ非依存性にJNKの活性化を介した細胞死を誘導することは、APPがAβ産生以外にもADの病因となることを示している。 2)細胞死拮抗因子 ロンドン型APP変異体が誘導する神経細胞死を抑制する因子のうち、アミノ酸24残基からなる新規のペプチド因子をHumanin(HN)と命名し詳細に解析した。HNはADに関連する細胞死侵害刺激の全てに対して拮抗作用を示すこと、アミノ酸置換により細胞死抑制活性が喪失または増強すること、cDNAから産生されたペプチドは細胞外に分泌されて細胞表面の分子に結合して作用すること、HN刺激により細胞内のチロシンキナーゼが活性化されること、抗HN抗体陽性の神経細胞がAD脳後頭葉に存在し、一部のグリア細胞も抗体陽性となることなどを明らかにした。更に、HNに結合する分子としてtripartite motif(TRIM) proteinファミリーのひとつであるTRIM11を単離し、TRIM11がHNの分解を促進することを発表した。
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