研究課題/領域番号 |
13770340
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
奥山 雅基 山形大学, 医学部, 助手 (30311583)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 心筋アポトーシス / ドキソルビシン / Fas / Fas ligandシステム / 酸化ストレス |
研究概要 |
Fas/Fas ligandシステムは多くの組織でアポトーシスを誘導することが報告されている。我々は心不全患者の血中可溶型Fas及び可溶型Fas ligandが増加し、可溶型Fas ligandの産生の一部は心臓由来であることを報告した。また、ラット培養心筋細胞において高濃度のFas ligandでのみアポトーシス誘導が可能であり、心筋はFas抵抗性を有していたが、ドキソルビシンを前投与することにより心筋はFasに対する感受性が増し、Fas ligandによる心筋アポトーシスは著増することも報告した。 ドキソルビシン前投与後のFas ligand添加によってカスパーゼ8活性が著増することから、ドキソルビシンはFasからカスパーゼ8までのシグナル伝達に影響を与えていると考えた。 今回ドキソルビシンによる心筋細胞のFasに対する感受性が増加する機序を検討した。FLICE inhibitory protein(FLIP)は内因性のカスパーゼ8阻害蛋白であり、そのFLIP蛋白はドキソルビシンにより濃度および時間依存性に低下した。N-acetylcysteine (NAC)あるいはsuperoxide dismutase (SOD)+ Catalase(CAT)を用いたところ、ドキソルビシンによるFLIP蛋白の低下は回復した。さらに、これらの抗酸化剤によりドキソルビシンによるFas感受性の増強(アポトーシス細胞の増加)は消失した。ドキソルビシンとFas ligandの投与で相乗的に増加したカスパーゼ8活性はNAC, SOD+CATによって消失した。次に、過酸化水素を前投与したところFLIPは濃度依存的に低下し、同時にFas感受性が増加した。以上より心筋細胞内のFLIP発現は酸化ストレスにより修飾され、心不全に陥った心筋では活性酸素種が増加することから、FLIP発現の低下によってFas/Fas ligandを介した心筋アポトーシスが惹起される可能性がある。
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