研究課題/領域番号 |
13770353
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
富田 英春 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (30325477)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | TGF-beta / 一酸化窒素 / 心血管再構築 / 遺伝子治療 |
研究概要 |
1)動物モデルの作成 体重250-300gの雄Wistar Kyoto rat(WKY)を用いた。ラットを対照群(蒸留水投与)、一酸化窒素合成阻害剤+遺伝子治療群(L-NAME+TGF-TR-Fc群)、一酸化窒素合成阻害剤+saline群の3群に分けた(各群n=5)。一酸化窒素合成阻害剤はNω-nitro-L-arginine methyl ester(L-NAME)を使用した。L-NAMEは1mg/mlを飲水に混ぜて投与した。 2)遺伝子の導入法の確立 II型受容体を細胞膜直下で切断し細胞内ドメインを欠失した変異型TGF-β II型受容体遺伝子(TGF-TR)は、東レ原田氏より供与頂いた。遺伝子導入は大腿二頭筋に行なった。今回の遺伝子導入は一回500μgのnaked plasmidを大腿二頭筋に導入することにより行った。遺伝子の導入の3日前にratの大腿二頭筋を500μlのbupivacaineで前処置した。一回500μgのplasmid導入の3日後、2週後に導入部位の大腿二頭筋を採取しmRNA levelをRT-PCR法で検討した。また、同一動物の心臓を灌流固定後摘出し病理学的検討を行った。 3)結果 遺伝子導入群は遺伝子導入3日より変位型TGF-βII型受容体遺伝子発現を認め少なくとも2週後まで発現することが確認できた(n=5)。対照群、一酸化窒素合成阻害剤+saline群は組織は変位型TGF-βII型受容体遺伝子発現は認められなかった(各群n=5)。灌流固定心筋標本を肥染色およびMason-Trichrome染色し、Imageanalyzerを用いて冠動脈中膜肥厚、線維化病変、心肥大を定量化した。しかし、3群間の線維化病変、心肥大に有意差は認めなかった。 4)考察RT-PCR法では遺伝子導入3日より少なくとも2週後まで変位型TGF-βII型受容体遺伝子が発現することが分かったが、一酸化窒素合成阻害剤投与による心臓リモデリングは抑制できなかった。導入するnakedplasmid量は限界量と考えられたが、nakedplasmidによる遺伝子導入では本モデルにおいて十分量の蛋白を発現できない可能性が考えられた。
|