研究課題/領域番号 |
13770367
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
島田 和典 順天堂大学, 医学部, 助手 (60327814)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 急性心筋梗塞 / クラミジア / CD14 / Toll-like receptor 4 / 可溶性CD14 / inteleukin-10 / interleukin-12 / interleukin-18 / 遺伝子多型 / PCR-SSCP法 / TNF-α |
研究概要 |
本研究は、急性心筋梗塞(AMI)におけるクラミジア感染とCD14遺伝子多型との相加効果、ならびにToll-like receptor4(TLR4)遺伝子多型の解析とAMI発症やクラミジア感染への関連性につき検討することである。昨年度に引き続き本年度は、AMI症例および冠動脈硬化症例におけるTLR4遺伝子多型の検討、AMI症例および冠動脈硬化症例におけるCD14遺伝子多型の検討、ACS症例、冠動脈硬化症例、および健常人における可溶性CD14(sCD14)、interferon-γ、IL-4、IL-6、IL-10、さらにクラミジア等の細胞内寄生細菌感染に関与するIL-12、IL-18濃度を測定した。 冠動脈硬化症100例を対象にTLR4遺伝子A896G多型の検討を行ったが、ホモ接合体、ヘテロ接合体とも出現頻度は0%であった。健常人の検討では、昨年度24例中1例(4.2%)のヘテロ接合体を認めたが、総計200例の検討でも1例のみ(0.5%)であり、本邦においてはきわめて頻度の低い多型であることが判明した。CD14遺伝子プロモーターC-260T多型は、AMI症例においてT/Tホモ接合体の頻度は39%であった。年齢別の検討では、特に若年者においてT/Tホモ接合体の頻度は有意に高い傾向を認めた。さらにこのCD14多型は、C/C、C/T、T/Tと段階的に血中sCD14濃度が高値である傾向を認めた。急性冠症候群(ACS)症例では、健常人や冠動脈硬化症例に比較しクラミジア属IgA抗体陽性率は高値であった。CD14多型とクラミジア抗体陽性率とは関連を認めなかった。ACS症例では、健常人と比較しsCD14、IL-6、IL-12は有意に高値、IL.18は高値の傾向を認め、IL-10は有意に低値であった。さらにACS症例では、ACSの既往のない冠動脈硬化症例と比較しIL-12は有意に高値であった。 以上より、本邦においてTLR4多型はきわめて頻度が低く、冠動脈硬化症との関連は見出せなかった。むしろ本邦ではCD14多型がAMIに関与し、さらにクラミジアを代表とする細胞内寄生細菌排除に関与するサイトカイン(IL-12,IL-18)バランス、すなわちTh1/Th2バランスがACSの発症に重要である可能性が示唆された。
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