研究課題/領域番号 |
13770374
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
古賀 章正 久留米大学, 医学部, 助手 (10309776)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | ウロテンシンII / 心不全 / 心肥大 / 拡張能 / ELISA / ペプチド |
研究概要 |
昨年度は、主に収縮不全による心不全で当施設に入院し心臓カテーテル検査が行われた症例において、血中ウロテンシンIIを測定し、心エコー、心カテーテル検査でのデータおよび、他の神経体液因子血中濃度との相関を検討した。その結果ウロテンシンIIはNYHA gradeおよび左室拡張末期径と弱いながら正の相関を示し、左室駆出率とは負の相関を示すことが判明した。つまりウロテンシンIIは心不全例において上昇すると考えられ、心不全の病態を何らかの形で修飾すると推測された。今年度は、心不全例での上昇をさらに症例数を増やし確認するとともに、肥大型心筋症や高血圧性心臓病などの肥大心での変化を検討した。肥大心での検討では、さまざまな原因により左室肥大を来たし、なおかつ収縮能が正常(EF>50%以上)である例を対象とし、左室マスおよび拡張能の各指標とウロテンシンIIとの関連を検討した。拡張能については、僧帽弁血流のE/A、E波のpropagation velocity (Vp)、deceleration time、肺静脈血流パターンで評価した。インフォームド・コンセントを得た後EDTA採血し、血清をアプロチニン混入後-70℃で保存した。測定時は、サンプルをTrifluoroacetic acidで酸性にした後、C18を含むSEPカラムによりペプチドを抽出し、Speed vacでlyophilizeした後、蒸留水に溶解した。血中ウロテンシンIIの測定にはHuman Urotensin II ELISA Kit (Phoenix pharmaceuticals)を用いた。現在の結果はpreliminaryであるが、ウロテンシンII濃度とVpは負の相関があることが示唆された。従ってウロテンシンIIは左室の弛緩と関連する可能性が示唆された。以上から、ウロテンシンIIは収縮不全のみならず拡張不全例においても上昇しており、心不全の病態に関与する可能性が示唆された。今後、ウロテンシンIIが肥大心における心筋虚血に関与するか否かを心筋シンチグラフィーや冠予備能を測定することにより検討する予定である。
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