研究課題/領域番号 |
13770473
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
小川 純己 慶應大, 医学部, 助手 (30286546)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症(BCIE) / K10遺伝子 / 親水性アミノ酸 / heptad repeat / 疎水的相互作用 / 遺伝子型 / 発現型 |
研究概要 |
水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症(BCIE)の新患者においてK1,K10遺伝子変異を検索し、遺伝子型と表現型の比較検討を行った。患者genomic DNAの一方の対立遺伝子において、点突然変異によりK10遺伝子の479番目の塩基がアデニンからグアニンに変わることにより、160番目のアミノ酸が、チロシンからシステインに置換されていることが明らかになった。この変異はBCIEにおける新たに発見された突然変異であり、同様の変異は50名の健常人において認められず、ポリモルフィズムの可能性は否定された。1999年、ArinらはK10 1A domain 160番目のチロシン残基が親水性アミノ酸に置換したときにはBCIEは重症型を取ると報告したが、自験例では160番目のチロシンが親水性アミノ酸であるシステインに置換しているにもかかわらず、臨床型は軽症であった。ケラチン分子のα-ヘリックスではheptad repeatと呼ばれる7つの残基を一組としたラセン構造があり、そのうちの1番目a位と4番目d位は疎水性アミノ酸になる。ケラチン分子はもう一本のケラチン分子とペアを作って二重コイル構造のheterodimerを形成するが、d位アミノ酸とa位アミノ酸の間で疎水的相互作用が働き、heterodimerは安定化するとされる。160番目のチロシン残基は、d位に相当し、これが親水性残基に置き換わることでheterodimerが不安定になる、というのがArinらの考えであったが、自験例ではd位の疎水性アミノ酸チロシンが親水性アミノ酸に置換しているにもかかわらず、臨床的に軽症型と考えられ、遺伝子型と発現型の相関は明らかでなかった。
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