研究課題/領域番号 |
13770492
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
榎本 敦 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (20323602)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 放射線誘発アポトーシス / シグナル伝達 / DNA array / JNK / c-myc / 放射線誘発細胞死 / Antisense / p53 |
研究概要 |
私は、放射線照射後のシグナル伝達と遺伝子発現制御機構及び放射線感受性のメカニズムを解析することを目的として、SAPK/JNKのリン酸化特異的抗体によるWestern解析とjnkのドミナントネガティブタンパク発現細胞、もしくは、特異的阻害剤による遺伝子発現の変化をRT-PCR, DNA arrayを用いて、放射線感受性を指標に検討した。その結果、ヒトT細胞株由来MOLT-4細胞ではX線照射後、SAPK/JNKリン酸化に続いて、線量依存的・時間依存的に転写因子c-MycのmRNA、タンパク量が減ることを見出した。感受性への寄与を検討するため、c-Myc antisense oligo導入やc-Myc阻害剤を細胞に処理したところ、アポトーシスが誘導された。また放射線照射によるc-Mycの減少は、JNKの活性化が起こらないX線抵抗性変異株やドミナントネガティブタンパク発現細胞では抑制されていた。これらのことからJNKがc-Mycをネガティブに制御することにより、放射線細胞死・感受性を支配していることが示唆された。 一方、近年、クローズアップされているDNA arrayによる遺伝子発現の網羅的解析は、確かに有用なツールであるが、再現性に乏しい点があり、データを裏付けるためには、RT-PCRなどいくつかの実験で再検証する必要があると思われる。今後は、スポットする遺伝子配列や感度の制御について再検討し、DNA arrayの信頼性向上を向上させることが、放射線応答遺伝子・感受性決定遺伝子DNA array開発や臨床におけるDNA arrayを用いた診断法の確立への道を開くことになるであろう。
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