研究概要 |
(目的) 培養細胞を用いてTc-99m-tetrofosmin, Tc-99m-MIBIの細胞内活性とCa++channel、Ca++、Na+との関連性を検討した。 (方法) P-glycoproteinの存在しない培養細胞にCa++やNa+濃度の異なる6種類の溶液を加え、それぞれにTc-99m-tetrofosminあるいは、Tc-99m-MIBIを加え、細胞内活性を測定した。これとは別に、Na+やCa++濃度の異なる6種類の溶液を加え、3種類のCa++channel blocker(verapamil, flunarizine, DCB)投与後にTc-99m-MIBIあるいはTc-99m-tetrofosminを加えたウエルを作成し、細胞内活性の変化を測定した。 (結果) 細胞外にCa++の存在しない溶液では、コントロール群と比べてTc-99m-tetrofosmin, Tc-99m-MIBIの細胞内放射線活性は上昇した。Ca++濃度の高い溶液中では、Tc-99m-tetrofosmin, Tc-99m-MIBIの細胞内放射線活性は低下した。 3種類のCa++channel blockerを加えると、Na+、Ca++濃度の違いに関わらず全溶液でTc-99m-MIBIの細胞内放射線活性は上昇した。Tc-99m-tetrofosminの細胞内放射線活性は細胞の種類やCa++channel blockerの種類により異なる変化を示した。 (結論) 腫瘍細胞株においてCa++channel blockerはP-glycoproteinを介さずにTc-99m-tetrofosminやTc-99m-MIBIの洗い出しに関与することが示唆された。
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