研究課題/領域番号 |
13770502
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
細井 理恵 大阪大学, 医学部, 教務職員 (30291446)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 糖代謝 / cAMP-PKA / Rp-cAMPS / 生体脳 / デオキシグルコース / ネキソキナーゼ / cAMP / デオキシグルコース法 / ラット / db-cAMP |
研究概要 |
プロテインキナーゼA(PKA)の阻害薬であるRp-cAMPSの作用の時間変化と用量依存性について検討を行った。また^<14>C-酢酸を用いてグリア細胞における代謝の変化についても検討を行った。 ラット線条体にRp-cAMPS(100nmol)を注入し、経時的に^<14>C-DGの取込みを検討した。注入15分後で^<14>C-DGの取込みは最大(対側比150%)となり、その後時間とともに減弱し、3時間後には有意な変化はみられなくなった。これよりRp-cAMPSの作用は一過性かつ短時間においてのみ生じ、細胞内に既存の蛋白のリン酸化-脱リン酸化の制御で生じていることが示唆された。また^<14>C-DGの投与1分後の取込みや、^<14>C-IAPの取込みには変化が見られず、グルコーストランスポーターや血流はあまり関与せず、ヘキソキナーゼによるグルコースのリン酸化の過程が制御を受けていると考えられた。 さらにRp-cAMPS(投与15分後)の用量依存性を検討した結果、3nmolより^<14>C-DG取込みの増加がみられた。またRp-cAMPS(300nmol)を投与した場合、投与部位である線条体のみではなく、大脳皮質、視床の一部でも取込みの増加がみられ、神経ネットワークが関与していると考えられた。 また、Rp-cAMPS(100nmol、投与15分後)の^<14>C-酢酸の取込みへの影響を検討した結果、有意な変化はみられず、Rp-cAMPSは神経細胞における糖代謝へのみ影響を及ぼし、グリア細胞における代謝には影響を与えないことが判明した。 以上、生体脳においてはcAMP-PKA系を抑制することで一過性に糖代謝が亢進し、その原因として神経細胞のヘキソキナーゼによるグルコースのリン酸化の亢進が挙げられた。今後はcAMP-PKA系の標的蛋白を明らかにし、生体での糖代謝の制御に関わる蛋白を検出することが重要な課題である。
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