研究課題/領域番号 |
13770530
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
|
研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
天保 英明 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (00312497)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2002年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | リエゾン精神医学 / コンサルテーション精神医学 / 生体部分肝移植 / 死体腎移植 / 生体腎移植 / 臓器移植精神医学 / CMIテスト / 易怒性 |
研究概要 |
生体部分肝移植及び死体腎移植、生態腎移植の移植前及び移植後の面接、心理テストを通じて、日本における臓器移植の精神医学的接近法について研究を行なった。生体部分肝移植については、症例数が少なく、明確なデータが統計学的に結論付けることが出来るほどに至っていない。 腎臓移植患者においては新たな患者及びこれまでの患者を検討することによって移植術後の精神症状発現のリスクファクターについて徐々に明らかになった。 特にコーネルメディカルインデックス(CMI)の領域IIIおよび領域IVに術前有ったものや術後直後に行われた同じテストによって同じ領域にあるものあるいは術後のテストによって潜在的怒りを示すものが術後に抑うつ、不安ないし不安発作あるいは強い不眠を訴えてリエゾン精神科医による精神療法および薬物治原を要した患者が統計学的に有意に多く存在したことがわかり、このことについて平成15年5月に沖縄で開かれる第44回日本心身医学会総会にて報告予定である(抄録は採用決定済み)。 また、移植術前と移植後でのCMIの結果との比較では術前より術後の結果の方がむしろより有意差が強く出ている結果に注目した。 これは、質問紙形式の心理テストの限界を示すもので、福西らの先行研究では質問紙法ではなく描画法の方がうおり患者が抱える潜在的な問題をより明確に示すとされている。 そこでわれわれも、移植術の前後でHTPテスト(ハウス・ツリー・パーソンテスト)を施行しそのデータを蓄積中である。 また、これらのデータで予測しうる精神障害は反応性抑うつや不安、不眠と言った領域の精神障害で、妄想、譫妄なとのよりハードな精神症状の予測因子になっていない可能性が考えられ、これまでにはない予測因子の考察をしなければならないと思われた。 最後に、移植を取り巻く患者や家族の認識次第では移植が中止になる場合があり、第14回総合精神病院医学会総会にて「心理社会的問題により生体腎移植に至らなかった3例」を報告した。
|