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気分安定薬と抗うつ薬の併用によるグリア細胞での神経栄養因子の誘導

研究課題

研究課題/領域番号 13770556
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 精神神経科学
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

井上 雄一朗  奈良県立医科大学, 精神医学教室, 助手 (40326343)

研究期間 (年度) 2001 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
キーワードうつ病 / グリア細胞株由来神経栄養因子 / アストロサイト / 神経栄養因子 / 難治性うつ病 / 双極性障害 / 向精神薬 / augmentation therapy
研究概要

(目的)治療抵抗性うつ病の治療には抗うつ薬と気分安定薬の併用療法が推奨されているが、分子生物学的機序を明らかにする目的で神経栄養因子の一つであるグリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)に注目して培養細胞におけるGDNFの発現・分泌の変化を調査する。
(方法)C6 glioma cellを培養し、リチウム、カルバマゼピン、バルプロ酸、クロミプラミンを単独または併用して培地に加え経時的に細胞を回収しtotal RNAを抽出した。cDNAを作成しReal-time detection PCRによりGDNF mRNAの定量化を行った。GDNF蛋白は細胞を培養し上と同様に抗うつ薬・気分安定薬を加えて刺激し経時的に培地を回収した。ELISA法を用いて培地中に分泌されたGDNF蛋白を定量した。GDNFの蛋白、mRNAの発現に薬剤の併用が影響を及ぼすのかを比較検討した。又、細胞内シグナル伝達系の役割を明らかにするため、様々なシグナル伝達阻害剤を培地に添加し、蛋白、mRNAの発現に与える影響を検討した。
(結果)抗うつ薬単剤刺激でC6細胞におけるGDNF mRNA、蛋白の発現は時間・濃度依存的に増加した。各種気分安定薬単剤刺激ではGDNF mRNA、蛋白発現の変化は認められなかった。抗うつ薬とリチウムを併用した場合のみGDNF mRNA、蛋白の発現が濃度依存的に、かつ単剤より早期から出現した。MEK阻害剤を添加したときには有意にmRNA、蛋白発現が抑制されたが、PI3K阻害剤と併用したときにはMEK阻害剤単独より有意に発現が抑制された。
(考察および結語)抗うつ薬によるC6細胞でのGDNF遺伝子・蛋白誘導がリチウムの併用でのみ増強されたことは抗うつ薬のAugmentation Therapyの作用機序の違いを示唆する。MEK阻害剤とPI3K阻害剤併用でMEK阻害剤の抑制効果を増強したことから薬剤併用によるGFNFの発現にはMAPキナーゼ系とイノシトールリン脂質系の両者の経路が関与している可能性を示唆する。

報告書

(2件)
  • 2002 実績報告書
  • 2001 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2016-04-21  

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