研究課題/領域番号 |
13770571
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 国立がんセンター(研究所) (2002) 千葉大学 (2001) |
研究代表者 |
石井 源一郎 国立がんセンター, 臨床腫瘍病理部, 室長 (00270869)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | Notch / MAPK / differentiation |
研究概要 |
我々は、レトロウイルスベクターであるpMX-IRES-GFPに、活性化型Notch遺伝子(NIC)を組み込み、pMX-NIC-IRES-GFPベクターを作成した。作成されたレトロウイルスベクターを用いて、分化誘導可能な赤白血病細胞株であるK562に、活性化型Notchを遺伝子導入した。その結果、NIC高発現細胞はapoptosisを起こしたが、NIC低発現細胞はコントロール細胞と同程度の増殖能を示した。Notchシグナルの強弱により、apoptosisが調節されている可能性が示唆された。次にNIC低発現細胞(K562-NIC)の巨核球分化について検討した。K562-NICでは、TPA添加による巨核球分化が有意に促進されていた。この分子機構解明のため、TPA添加後のリン酸化MAPKinaseを測定したところ、K562-NICでは、コントロール細胞と較べて明らかにリン酸化MAPKinaseが増加していた。さらに、K562-NICにおける巨核球分化促進は、MAPK inhibitorによりコントロール細胞と同程度まで抑制された。以上より、NotchシグナルによるMAPKの高度活性化が、K562-NICにおける巨核球分化促進の原因と考えられた。NICによるapoptosisおよびMAPKの高度活性化作用は、他種細胞株(NIH3T-3 etc)においても確認され、細胞特異的な現象ではないことが判明した。 さらにNotchの標的遺伝子であるHes-1をNIH3T-3に遺伝子導入し、Hes-1を過剰発現するNIH3T-3を作成した。この細胞に、TPAを添加し、リン酸化MAPKinaseを測定したが、コントロール細胞と比べてもMAPKinaseのリン酸化の増強は認めなかった。以上より、NotchシグナルによるMAPKの高度活性化作用は、Hes-1非依存性であることが推察された。
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