研究課題/領域番号 |
13770573
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大井 淳 東京大学, 医科学研究所, 助手 (20302606)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | フィラデルフィア染色体 / 急性リンパ性白血病 / BCR / ABL / Imatinib / リポソーム / CD19 / STI571 |
研究概要 |
本研究はフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)に対する新たなターゲティング治療法の開発を目的としている。Ph+ALL細胞の特鐵であるBCR/ABL融合蛋白とCD19抗原をターゲットとした抗CD19抗体とBCR/ABLチロシンキナーゼインヒビター(imatinib)の免疫複合体をイムノリポソームを介して結合させることで作製した。さらにこの新規イムノリポソームのPh+ALL細胞株に対するin vitroでの抗白血病効果を検討し、その効果を確認した。これまでに以下の実験結果を得ている。 1)逆相蒸発(REV)法を用いてimatinib封入-抗CD19-PEG-リポソームが作成可能。2)細胞内で蛍光を発する蛍光物質カルセインを封入した各種リポソームを使用しCD19陽性細胞内導入効率を検討したところ、抗CD19-PEG-リポソームはBare-リポソームに比し高い細胞内導入効率を示した。(最大21.1倍) 3)過剰量の抗CD19抗体を各種CD19陽性Ph+細胞株とpre-incubateすることで,細胞内導入のブロック効果を検討した結果、添加した抗CD19抗体量依存的に抗CD19-PEG-リポソームの細胞内導入効率が減少した。4)CD19陽性Ph+細胞株に対するimatinib封入-抗CD19-PEG-リポソームの殺細胞効果は内封したimatinibの濃度依存的であった。またimatinib単独では効果が認められなかった0.01μMの濃度でもimatinib封入-抗CD19-PEG-リポソームでは効果が認められた。5)コントロールとしてCD19陰性Ph+細胞株、CD19陽性Ph-細胞株を用い、さらにCD19の代わりにトランスフェリン(TF)を用いたimatinib封入TF-PEG-リポソームを作成して(使用した全ての細胞株はTFレセプターが陽性)同様の実験をおこない、imatinib封入-抗CD19-PEG-リポソームの特異性を確認した。 今後、imatinib封入-抗CD19-PEG-リポソームのimatinib耐性Ph+ALL細胞株に対する効果を検討しこれまでの研究を発展させる予定である。
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