研究課題/領域番号 |
13770582
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
鈴木 賢一 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (20305618)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 造血幹細胞 / 好中球 / サイトカイン / MAPキナーゼ / JAK / STAT / 細胞骨格 / CD34陽性細胞 / 運動 |
研究概要 |
MAPキナーゼ(MAPK)系とJAK-STAT系は造血細胞における主要な細胞内シグナル伝達系である。今回、ヒトCD34陽性造血幹/前駆細胞を用いた解析から、サイトカイン(G-CSF、GM-CSF、TNFα、IL-1β、IL-3、IL-6、TPO、SCF、IFNαおよびIFNγ)特異的に、特定のMAPKサブタイプ(ERK、p38およびJNK)とSTAT-1,-3および-5が活性化されることが明らかになった。また、ヒト好中球における細胞内シグナル伝達系活性化と機能発現について検索を進めてきた。MEK-ERK系は未熟な造血細胞においては主として増殖に関与すると考えられたが、成熟した好中球においてはサイトカイン刺激による活性酸素産生や接着に関与することが明らかになった。このことは、同じシグナル伝達分子でも細胞の分化段階に応じてその機能的役割が変化することを示している。また、CD34陽性細胞においては、例えば、GM-CSF刺激によりp38の活性化は認められないが、好中球では比較的強く活性化される。このことは、同一のサイトカイン受容体から生ずるシグナルも細胞の分化段階によって異なることを示している。 また、好中球においては、G-CSF、GM-CSFおよびTNF刺激によって、MAPK系の活性化を介して、細胞骨格アクチンの持続的な脱重合が起こることを明らかにした。走化性因子FMLPでは、一過性に強くアクチンの重合が認められた。現在、CD34陽性細胞を用いて、サイトカインおよび走化性因子刺激による細胞形態の変化、細胞骨格分子の再構成および細胞運動について解析を進めている。造血幹細胞の末梢血への動員あるいは骨髄への生着のメカニズムの分子制御機構の解明につながることが期待される。
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