研究課題/領域番号 |
13770599
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 東北大学 (2002) 大阪大学 (2001) |
研究代表者 |
種本 雅之 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (40303945)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | カリウムイオン / イオンチャネル / カリウムチャネル / 電解質異常 / 体液調節機構 / イオン輸送 / 腎尿細管 / 膜蛋白 / 内向き整流性カリウムチャネル / 膜2回貫通型カリウムチャネル / 酸塩基平衡 / シグナル伝達 |
研究概要 |
以前の研究でカリウムチャネルKir5.1がホモマーとしてはチャネル活性を呈さないが、Kir4.1とヘテロマーを形成することによりチャネル活性を呈しプロトンセンサーとして機能する事を明らかにしていた(Tanemoto et al. J. Physiol. 2000)。本研究では更にこのKir5.1-Kir4.1ヘテロマーが腎臓遠位尿細管基底膜側に発現していることを明らかにした(Tanemoto et al. J.J.Pharma. 2001)。またチャネル活性の制御機構の解明を試み、Kir5.1がKir4.1とのヘテロマー形成により細胞膜上に発現されることによりチャネル活性をすること、またアンカー蛋白PSD95と結合する事でも細胞膜上に発現され活性を呈する事を明らかにした。更にKir5.1-PSD95複合体に関し研究を進め(1)Kir5.1-PSD95複合体が神経細胞において実際に生体で存在すること(2)Kir5.1とPSD95の結合にはKir5.1のカルボキシル末端の3アミノ酸が不可欠であり、Kir5.1-PSD95の結合がこのアミノ酸のプロテインキナーゼAによるリン酸化状態に依存し、チャネル活性がプロテインキナーゼAを解する経路により調節されていること(3)PSD95はKir5.1の細胞膜への輸送ではなく、輸送されたKir5.1蛋白の膜表面上での安定化を促進すること、等を明らかにした(Tanemoto et al. Neuron 2002)。極性細胞をモデルとして用いた実験で、Kir4.1は細胞膜上・Kir5.1は細胞質・Kir5.1-Kir4.1ヘテロマーは細胞膜上に発現することを明らかにした(Tanemoto et al.J.J.Pharma. 2001)。更にKir4.1のカルボキシル末端部の欠損体が細胞質に分布する事を明らかにしている。これらの結果はKir4.1カルボキシル末端部に細胞膜への局在シグナルが存在することを示唆するものである。 また、水チャネルAQP4がKir5.1-Kir4.1ヘテロマー同様腎遠位尿細管基底膜側に局在を示すことに着目し、AQP4の極性細胞における細胞内局在機構の解明を試み、現在までにAQP4においてもカルボキシル末端28アミノ酸に細胞膜への局在シグナルが存在する事を明らかにしている(Tanemoto et al.J.J.Physiol. 2002)。以上の結果は、チャネル蛋白共通の細胞膜局在シグナルがカルボキシル末端部に存在する可能性を示唆するものである。
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