本年度の研究成果は以下のごとくである。 BNラットをドナー、Lewisラットをレシピエントとし、腎移植モデルを作成。末梢血T細胞と脾臓内T細胞を採取し、MAPK(mitogen-activated-protein kinase)活性、MAPKK(MAPK kinase)活性の測定を行った。移植後4日目には拒絶反応を示し、5日目の摘出腎は組織学的に明らかな拒絶反応を認めた。移植後3日目にレシピエントの末梢血T細胞と脾臓内T細胞を採取し、MAPK活性はEnzyme Immunometric Assay Kitを用いてリン酸化-ERK1/2のtotal concentrationのELISA法で測定し、MAPKK活性は白壁恭子らが報告した[γ-32P]ATPと大腸菌に発現し、精製した組換え型MAPキナーゼ溶液を用いたin vitro活性法にて測定した。Lewisラット間での腎移植モデルでのデータと比較し、BNラット・Lewisラット間での腎移植モデルではMAPKおよびMAPKK活性は高値を示した。 現在、本研究はFK506を投与した拒絶抑制モデルおよび少量FK506投与のMild拒絶モデルを作成中であり、今後FK506投与群および少量FK506投与群でのMAPKおよびMAPKK活性を測定する予定である。尚、得られたデータは解析し、平成15年度、日本移植学会、国際移植学会にて報告する予定である。
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