研究概要 |
1,ラットKupffer細胞の癌細胞株に対する抗腫瘍効果の証明 前年度(平成13年)ラットKupffer細胞がJurkat(Fas発現株),colon26(Fas発現を確認)にapoptosisを誘導するのを確認したが、癌細胞株自体の増殖能には言及していなかった。そのため、本年度、細胞DNAフラグメンテーションELISAキット(Roche)を用いて、Jurkatおよびcolon26をPO-labeled BrdUにて標識し、Kupffer細胞と混合培養し癌細胞株が培養液中に放出したPO-labeled BrdUを測定した.この放出されたPO-labeled BrdUは細胞の破壊を意味し、cytotoxicityを示す.その結果混合培養により放出されたPO-labeled BrdUの増加が認められ,Kupffer細胞のJurkatおよびcolon26に対するcytotoxicityが証明された. 2,Kupffer細胞の癌細胞株に対するApoptosis誘導及びCytotoxicityに関して ラットKupffer細胞が癌細胞株に対するApoptosis誘導及びCytotoxicityは、E/T比が10/1の時,抗腫瘍効果を示し,1/1では逆の効果を示した.この事は肝転移を形成したものには無効だが,Kupffer細胞はmicrometastasisの制御には関与する可能性が考えられた. 3,Fas ligand遺伝子のKupffer細胞への導入 ラットkupffer細胞にFas ligand遺伝子導入を試みたが、成功しなかった.その理由としてKupffer細胞の長期培養が出来ないことにある。そこで、現在、Kupffer細胞の培養液に様々なサイトカインを混ぜKupffer細胞の長期培養をこころみている。
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