研究課題/領域番号 |
13770716
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
武内 孝介 慈恵医大, 医学部, 助手 (40297403)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2002年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | Gene therapy / Gene transfer / Adeno Virus Vector / Liver / Animal |
研究概要 |
アデノウイルスベクターは多くの遺伝子治療プロトコールで用いられ、また小動物では肝への高い親和性が証明されている有用な遺伝子導入ベクターであるが、大動物においてはその親和性が疑問視されている。そこで臨床応用に向けて、イヌにおける無血的肝灌流法の効果の検討を行った。ビーグル成犬を用いて肝の流入、流出血管をすべてクランプし、門脈にベクター流入路、下大静脈に流出路を確保した。細胞外液にて血液成分をwash outした後、LacZ遺伝子を含んだアデノウイルスベクター(AxCALacZ:7.5x10^<11>pfu/50ml)を灌流、再び細胞外液にて余剰ベクターをwash outした(無血的肝灌流群)。またコントロール群としてAxCALacZ(7.5x10^<11>pfu/50ml)を門脈(門注群)、肝動脈(動注群)、前肢皮下静脈(静注群)よりone shotにて遺伝子導入を行った。ベクター投与後24時間にて犠牲死、遺伝子発現の組織学的検討およびLacZ活性の測定を行い比較検討した。組織学的検討では門注群、動注群、静注群では遺伝子発現が低く、不均一であるのに対して、無血的肝灌流群では肝組織全体に高い遺伝子発現を認めた。またLacZの活性測定では門注群では18.1x10^<-3>unit/mg protein、動注群では6.1x10^<-3>unit/mg protein、静注群では20.2x10^<-3>unit/mg proteinであったのに対し、無血的肝灌流群では133.8x10^<-3>unit/mg proteinと有意に高値を示した。しかしラットに対する約300倍のMOIでの投与にもかかわらず、単位蛋白あたりの酵素活性は有意に低値であり、アデノウイルスベクターの大動物の肝に対する予想以上に低いtropismの克服とそれを含めた投与法のさらなる検討が必要であると考えられた。
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